秋ナスは嫁に食わすな、これって、いじわるの格言だよな。もったいないから上げるもんかい、ってね。だって、この時期のナスは美味いもの!それにどんどん取れるし。あと、1カ月?いや、走りの寒さが通り抜ければそれでおしまい、この旬を大切に頂かなくっちゃよ。
ふつうナスって言ったら紡錘形の細長いやつだけど、ここいらじゃ、ナスてのは丸ナス!それ一択。しかも食べ方はナス漬けの一辺倒!だ。我が家は旅の者、ここらじゃ移住者のことを年寄りはそう呼ぶ、だから、長ナスも作っているが、年寄りが食卓を牛耳ってる家庭じゃ、まっ、丸ナスだな。
漬けると言っても、じっくり塩漬けして乳酸発酵、なんてことはしない。簡単な調味液に浸して2,3日の浅漬けでそのまんま食べる。塩と砂糖と唐辛子、それと色止めのミョウバン。ただし、我が家じゃ無添加ってことで古釘を2本ほど放り込んである。ミョウバン使用のように真っ青な皮にはならないが、茶色く酸化して見目悪し!なんてこともない。まっね自然の色合いを保ってる。
発酵はさせない。瓶に漬けて冷蔵庫保存だ。いや、保存はしない。次から次と食べてはナスを補充して食べ次いで行く。何回かローテーションすると、つけ汁は薄くなって来る。染ま時は塩と砂糖を加える。量は?まっ味見しながら適当。これで十分、ナス自体が柔らかいし美味しいからね。
ただ、昨年までは何度か漬け込むと、やっぱり微生物繁殖してきて、液がぬるっとしてきたりした。こうなるともうこの液は使えない。勿体ないけど、お役目ご苦労さん。うーん、なんとか長持ちさせられないか?
で、今年の新工夫!酢をほんの少量たらしてみることにした。
これが見事に成功!7月の漬け込み開始から1カ月半、最初に調整した漬け込み液が未だ現役だぜ。これはいい工夫だったな。酢の殺菌効果を生かし切れた。大した奴だぜ酢ってのは!
ほら梅ジュース作りでも焼酎と酢を入れると発酵してこないだろ、あれと同じさ。入れる量が多過ぎたりすると酢の味が残って、切れ味の悪いナス漬けになっちまうけどな。まっ、その程度は我慢だぜ。
朝食の支度にかかる前、欠かせぬ作業がナスの収穫なんだ。
1日取り忘れてもぐいーんと大きくなって、漬物失格!繁った枝葉の下から、横から覗き込んで見逃しのないように。昨日漬けたものを皿に出して、取り立てはヘタを取って漬け込む。キュウリとトマトとナス漬け、それに味噌汁、おにぎり!これが我が家の朝の定番だぜ。