ステージおきたま

無農薬百姓33年
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コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

大したもんだぜ、廃品回収の兄ちゃん、姉ちゃん!

2021-09-19 17:42:11 | 世の中へ

 今どき農村で流行るもの?それは廃品回収のトラックだ。

 まず、週に1回は回ってくる。狙いは古くなった農機具類。農業から手を引いた家も多いし、新型機械導入して、使っていた機具が不要になって眠ってるって家も少なくないから。結構、どの家でも、小屋の隅や家の近くに野ざらしになってる鉄製品多いんだよ。歩行式の田植え機とか稲刈り機、あるいは故障した草刈り機やら乗らなくなったバイクや自転車、なんやかや持て余してるもの多いんだ。

 それを引き取るってって回って来る若い衆たち、ほとんどは中国人。夫婦、あるいはペアでやって来る。ゆっくりとトラックを流しつつ、田畑に人影を見つければ、すぐに下りてきて、流暢とは言い難い日本語で、「要らないもの、あるか?何でも引き取るよ」と声を掛けて来る。

 声かけの営業は女の仕事で、力仕事は男、ほとんどこの役割分担で間違いない。で、ほぼすべて女性が人当たりもいいし、愛嬌振りまいて感じがよい。だから、その役割分担はしごく妥当だ

 何度も回って来ると言っても、同じペアとは限らない。と言うより、ほぼ別の二人組のことが多い。ざっと頭に浮かべても、女性一人の軽トラってのも含めて5組はいる。あんまりにも頻繁に来るから、我が家の廃品候補はすべて供出済みだ。

 今回回って来た二人も初めてここいらを回っていると言う。そう言えば記憶にない顔だなぁ。すげなく追い返すのも可哀そうなので、錆び付いた鳥小屋の金網とか穴の開いたホーロー容器、こんなもんでもいいか?と聞いたら、なんだって持っていくとさらに物欲しげに小屋の周囲を物色する様子。今日の成果が思い通りに行かないのだろう。

 そうか、だったら、水路脇に半ば以上土に埋もれたポンプの鉄塊があるけど、持ってく?

 トラック案内して田んぼの水口へ。重いし埋没してるから、手作業じゃ無理だけど、幸いユニック車だから、引っこ抜けるよな。

 運転席から下りて来た兄ちゃん、迷うことなく鉄塊に手を掛け、エイッとばかりに引きずり出した。すんげぇぇぇ!怪力ぃぃぃ!

 これならちょっとは金になるかな?いやぁ二束三文たろぜ。でも嫌な顔一つせず荷台に放り上げて、また、よろしくお願いしまぁぁぁす!って走り去って行った。

 いやぁ、大したもんだぜ、いや力持ちってことじゃない。見ず知らずの国に来て、それもこんなど田舎で、古トラック1台引っ張って不用品集めて稼いでるってことさ。言葉だって、必要な単語以上はしゃべれないようなんだ。兄ちゃんの方なんて、さっぱり通じないんじゃないか?なんか感心して、こっちも暖かい気持ちになるよ。日本人の廃品回収だったら、金出さないと持って行ってくれないようなガラクタまで持って行ってくれるんだ、あり難い話しだよ。

 で、ふっと思うんだが、こんだけの自立心、度胸、見返りの少なさでも働く勤勉さ、ここいらの、いや、都会ならなおさら、若い奴らにあるかなぁ。まっ、中国がどんどん追いつけ追い越せで発展して行くのも当然だよな。

 兄ちゃん、姉ちゃん、事故起こさず元気で頑張れよな!

 

コメント
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