コロナ緊急事態で稽古場を奪われ、あえなく延期となった『ダンスホール Mitsu』。このまんま、すっこんでいられるかい!って急遽上演が決まった二人芝居連作舞台『COVID FOR TWO』、1カ月半弱で仕上げるんじゃ装置も簡略、道具も最小限に、って、当然だよな。もちろんダンスなんて入れられっこない。うぅ、せっかく全員のフィナーレダンスを練習してきたのに。
やっぱ、やっぱ、ダンスなくっちゃ!
台本書きの中で、踊り得意の団員に、「おいらが出りゃ、ダンス!って決まってんだい」なんて突如叫ばせて、いっさい筋と関わりなしのダンスシーンを放り込んだ。何故か登場の瓦版売り、衣装は着物、しかもエピソード1って初っ端からだぜ。もう、無茶振りさえ、エンタメにしつまおう、って我が儘、身勝手、やりたい放題。
その曲がスクリーミン・ジェイ・ホーキンス、往年のブルース、R&Bシンガー「TEAR DROPS」。浮き立つように調子のよいリズムとメロディだ。今回のコロナ「ディスタンス」第2作は、全体通して辛いエピソードもあるにはあるが、息苦しさなどおさらばして、明るく軽快に突っ走りたいと思ってんだ。
だったら、エンディング、軽く踊って幕下ろすてのもありじゃないか?最後のエピソード、ホームレスものだけど、その逆境を逆手に取って歩き出すってお話しだから、ダンスで締め、ってのもありだぜ。
ええっ?全員が1曲マスター?無理だろ、それは。
わかった!カーテンコールで次々に踊って挨拶すりゃいいさ。一人一人じゃ粗も見えるし時間もかかる。3人一組、それも1チーム、ツーエイト(8拍を2回)でさらっと踊りゃいいんじゃねえか。ダンス得意、不得意のメンバー組み合わせて自分たちでステップを考え練習も自主的に。
思い付けば、すぐにしゃべっちまう、こらえ性のなさ!すぐに提案、あとはそれぞれのチームにお任せだ。曲はオープニングと同じ「TEAR DROPS」。軽やかにステップ踏んで、コロナ蹴っ飛ばしてやろうじゃないか。ダンスの下手さも笑ってもらって、めっけもの、楽しくお開きだ。さらに、それが終われば、も一つサプライズ企画もあって、・・・そいつぁ、教えるわけにゃいかんけどな。
あと、1カ月!できんのかい?なんて、ビビッてたって始まらない。カーテンコールはダンス!決めたんだから、カッコよく納めてくれよ!