ステージおきたま

無農薬百姓33年
舞台作り続けて22年
がむしゃら走り6年
コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

冬物語の主役は除雪機だぁ!

2022-02-10 11:45:16 | 暮らし

 えっ、ど、どうした?なんで止まる。うむ?なんか臭いぞ、焦げたような。やらかしたか、ベルトトラブル。

 こういう時は、無理しない、除雪作業は諦めてすぐに原因究明だぜ。エンジンはかかる、走行も問題なし、雪を掻き崩してすっ飛ばすオーガが回らない。って、ことは回転を伝えるベルトが切れたってことしかないだろう。

 ほれ、なっ。切れる直前、ねじ曲がってる。無理やりとんちんかんに力がかかってプーリから外れたんだな。なんだよ?俺が何したって言うんだよ?おとなしく雪掃きしてただけだぜ。この間交換したばかりだろ。いっくら年代物になりつつあるってたって、シーズンに2回のベルト切断はないだろ。

 思うに、前回修理の際に、ベルト界隈の調節が微妙に狂ってたんだ、多分。って思ったものの。証拠があるわけじゃなし、この寒さの中呼べばすぐに来てくれる機械屋さんを責めるのも酷だし、交換してわずか2週間で切れるなんてどうしたのかなぁ?なんて、軽く皮肉を匂わせて持ち帰ってもらった。やれやれ、明日からまた大雪だって天気予報じゃ騒いでるのに。

 戻って来た。直って来た。今度は大丈夫だろうな?なんて憎まれ口は言わない。すなおに感謝して、さっそく除雪にかかる。

 おお、順調だぜぇ。なんか馬力も上がった気がする、ってそんなこたぁないか。オーガクラッチの不具合も直ってる。うん、今回は若社長自ら修理してくれたようで、細かいところまで配慮が行きわたってる。よしっ、これならバンバンだ。一気に屋根からの落雪をぶっ飛ばしちまおう。小屋の入り口ふさがってるしな。

 と、がっがっ!うわっ、嫌な音。不吉な予感!オーガ、ぴたっと止まった。まったく動かない。なんだ今度は?またベルト切れか?

 保管場所に移動させてエンジン停止。ベルト部分のカバーを外そうかと思ったが、その前にオーガをチェック。

 あっ、これ、なんか回転爪とカバーの間になんか金属製のものがつっかかって。これだ!原因は。缶みたいなものが見事に挟まってる。わかりゃ簡単、外しゃいいんだろ。

 まず、ペンチで挟んで引っこ抜く。ぜーんぜん!微動だにせず。ならば、バールだな。隙間に差し込んで梃子の働きでカバーを押し開きぃぃ、ってダメだよ、まるで。抜けないなら奥から叩いて押し出すしかない、が、ハンマーが上手く入らない。オーガの隙間を狙って差し込みこつこつと叩く。動いたか?根気、根気!諦めず叩き続けろ。機械屋さんだってやることはおなじはずだ。素人だってやってやれないことはない。

 ひっぱり、差し込み、叩くこと10数分。うん?なんかちょっと動いたような・・・。気のせいか。また、同じ動作を繰り返す。そうか、挟んだ鉄くずの下側を叩いて平らにすれば取れやすいんじゃないか?はみ出した部分をひたすら叩いて、どうだこれなら、引っ張っても抜けないが、エンジン掛けて強引にオーガ回せば外れるかもしれない。ダメなら、また、こつこつだ。

 エンジン始動!オーガクラッチを、えいっ!おっおぉぉぉ、ぶっ飛んだぞ。成功だぜぇぇぇ。よぉぉし、これで直った。こんなのが挟まってたんだ、動かねえわけだよ。

 で、何なんだ、この鉄の塊は?あれこれ思い浮かべてみるがわからない。なんでこんなもんが、小屋の周りに落ちてたのか?なんとも不可解、が、まっ、取れたことだし、機械は動くようになったし、やったぜ!ジイサン。よくぞ諦めず、最後までやり遂げた。

 いやぁ、感動だなぁ。しつこく頑張り、自ら解決。この喜び、分かるかなぁ?

 除雪を体験したことのない人間にゃ、なんだそんなこと、って馬鹿にされるかもしれないが、この悪戦苦闘と自力脱出、まさに物語なんだぜ、雪国の暮らしならではの。 

 

 

コメント
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