宇宙創成のお話・・・
2021年6月14日
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⑥秀真伝第三紋に進みましょう。
ここでは、イザナギ・イザナミの二神の間には、一人の姫君と、
三人の皇太子が生まれたのですが、産屋は五つ、ありました。
”それは何故か?”という、質問を、ツワモノヌシ尊が、
カナサキ命に問います。
その理由は、一人の御子を、イザナミは流産された
からでした。
何故、流れてしまったのか・・・
それがこの紋の、大切なポイントになっています。
次のように、本文には秀真文字で次のように、書かれて
います。
”あうときに、めは、あなにえや
えおとこと、おは、わなうれし
えおとめとうたいはらめど
つきみてず えなやぶれうむ
ひよるこの あわとながるる”
これを現代的に書き下すと、
"逢う時に、女神(イザナミ)は、
’あなにえや 良い男’と声を先にかけて、
男神(イザナギ)は、
それに応えて’嬉し 良い乙女よ’
と 詠い、結ばれて、妊(はら)めど、
月満てず、胞衣(えな)破れ、生まれた
のは ひよる子(流産した赤子)の 泡と流るる”
つまり、女性神、イザナミが最初に、イザナギの尊に
声をかけました。
”ああ、良い男神だこと!”と。
どういうことか、もう少し詳しく見てみましょう。
秀真文字(ほつまもじ=おしで)では、陽を表す
天(あま)の”あ”は、左回りの図形です。
一方、陰を表す地の”わ”は右回りの字です。
以下をご覧ください。
この、くるくる回っている、秀真文字の”あ”音は、
左周り(上の字)が、陽(よう)で、右回り(下の字)
の”わ”音で陰性を表します。
これは、天地創造の際、まず、”陽の気”が上にあがり、
”天”ができ、それから、重い”陰の気”は下に下って、
”地”となったと ほつま伝えには、書かれています。
言い換えれば、陽の象徴である、男性神から、陰の
象徴である女性神に対して、声をかけることが、本来の
宇宙創造の理に適っている、ということだったのです。
ところがそれを知らずして、、
イザナミ(女性神)は、時計回り、つまり、右回りに、
太い柱をまわり、自分から先に、イザナギ(男性神)に
声をかけたことから、結ばれても、”事を得ず”、つまり、
子供を得られなかった・・という結果でした。
話は脱線しますが、こうして、”右左”の意義や意味を
考えてみると、日本古来の伝統服、着物は、右前で、
左側の衿が、右の衿に被さります。
これは、上[天)に左側の衿が来ていると言うことで、
陰陽の理にかなっているわけです。
わたし達の祖先は、この天地創造の左と右の意味を、
先天的に知覚していたということなのでしょうか・・・
また、昔の日本では、文字は、左から右に書かれて
いましたから、現在のように、向かって左から右
(つまり、右から左)に書かれる
ようになったのは、西洋文化の影響でしょう。
例ですが、下の古い新聞の記事の見出しは、向かって
右から左(つまり、左から右)に書かれています。
これは、本来、日本語は、縦書きで、向かって、右から
左(つまり、字を主体にすると、左から右)に書かれて
いたからです。
外国語の辞書などを編集するようになった江戸時代から
明治にかけて、日本語は、向かって左から右に書かれる
ようになったとされます。
話を元に戻しますと、その天地創造の際の、アとワの、
陽と陰の法則を、省みた二神は、次に、男性神イザナギ
は左回りで、声掛けも、男性神のイザナギからしたところ、
それを受けた女性神イザナミは、無事に妊娠・出産
できたのでした。
さらに、もう一つ、見逃せない点があります。
このとき、イザナギが詠った歌、イザナミが詠った歌を、
”天のアワ歌”と呼びます。
この歌の特徴は、声掛けして、文字数が、子供が
できなかったときの歌の音数と、異なっていることと、
出だしの音(おん)が、先ほど、述べた、陽の天を
示す、”あ”から、男性神がうたい、それに応えて、
女性神は、地、つまり、陰を表す”わ”の音から
詠いだしているのが特徴です。
以下をご覧ください。
”あなにえや、うましおとめに あひぬとき”
~男性神 イザナギの歌
”わなにやし、うましおとこに あいきとぞ”
~女性神 イザナミの歌
さて、こうして、最初の質問の、産屋が”5つ”あると
いう質問は、解決つきました。
ちなみに、整理しますと、天の原見山[富士山)の産屋
では、
天照大神(あまてらすおおかみ)、
つくば山では昼子姫(和歌姫)、
淡路州では、流産したひよる子、
九州の月隅では、月読尊(ツキヨミ)、
そして、熊野では、スサノオ尊
がお生まれになっています。
秀真伝によれば、この二神は、近江の地に、宮殿を
建てて、御柱を、宇宙創造の時の天の御柱(みはしら)
に見立てて、そこに置いてから、今まで お話しした
ような方法で、その柱をまわり、
御子を御つくりになりました。
ところが、最初は流産した御子、(秀真伝えでは、
ひよる子と呼ぶ)、でしたので、日高見(ひだかみ)の
トヨウケ神のお知恵をお借りして、過ちを正して、
先に述べたような、宇宙の理にかなった、御柱巡りの
伸事を行うことができ、無事に出産できたのでした。
さて、いかがでしたか?
”宇宙創成のお話し”も、ダイジェスト版に載せました。
もう一度、まとめておきましょう。
秀真伝を理解するためには、この箇所はとても意味が深い、
重要なポイントだからです。
①アメミヲヤノ神が、最初の一息(初の一息)を入れる
②その息は、東へ上り、西に下る
③上りながら回転していくので、ちょうど竜巻のように、エネルギー
を持った空態"天の御柱”が出現する
④そこから陰と陽が、生まれる
⑤陽の気は、空に上がり、天となり、陰の気は、地に巡り、陸となった
⑥5元素が、その気のエネルギーから生まれる。 つまり、空、風、火、
が陽の気から、水と埴(はに)が陰の気から生じた。
⑦アメノミナカヌシが、初めて 5元素が和合した中から生まれる
そして、クニトコタチの神や、8神が、地球に出現され、ここに、
日本という国も出現することになりました。
次回に続きます・・・