自然治癒力セラピー協会=Spontaneous Healing Therapy Japan

自然治癒力を発揮させるために、心と体の関係を考えます。

秀真伝えダイジェスト版(5綾)

2021年07月15日 | 超古代日本の精神(ホツマツタヱ)

和歌の持つ、精神的意味~黄泉平坂(よもつひらさか)の巻     2021/7/15

***************************************************

俳句や短歌は、いまだに日本人に

愛されている、日本文化の一つだろう。

5・7調の限られた文字数の中の

行間に込められた、深い情感を

季節感とともに味わうその繊細で、

優雅な感覚は、日本精神の美学

に通じるものかもしれない。

 

では、和歌の魅力は、どこに、

端を発しているのだろうか?

今日、お伝えする、秀真伝え

5綾の中に、そのあたりが、

詳細に語られているので、ご紹介したい。

 

5綾(あや)で登場する人物は

大物主(奇杵命=くしきねのみこと)、

思兼命(おもいかねのみこと)、

花杵尊(はなきねのみこと)、

などである。

もっとも重要な役は、

イザナギ・イザナミの尊(みこと)

が演じられている。

 

さて、この5綾の秀真伝えの中での

タイトルは、”和歌の枕詞(まくらことば)

の綾”となっている。

どうして、枕詞が発生したか?という

疑問を、クシキネノ尊が、オモイカネ尊

に尋ねるシーンから始まる。

(まるで演劇を語るように述べているが、

どうぞ、皆様、想像なさりながら、

お読みください)

 

この謂れ(いわれ)は、その昔、

イザナギ・イザナミの尊の時代に遡る

(さかのぼる)と、オモイカネノ命は

話を始める:(以下そのお話し)

(傍線部分は、神のお名前)

 

”その昔、近江の国で、国造りを

始められた、イザナギ・イザナミ

の尊は、民の言葉を整えようと、

アワの歌48音を造られました。

 

上半分の24音を、イザナギ尊が、

下24音を、イザナミ尊が詠い連ねて、

民に押して、そのアワ歌の

言霊の力で、音声の路が開き、

民の言葉も正しく整うことが

できました。

 

それから、二神は、筑紫に行幸

されて、そこで常世の国の象徴で

ある、橘(たちばな)の木を

植樹され、そこで御子を産みました。

ツキヨミの尊です。

 

それから、熊野に行幸されて、

そこでも、橘の木を植樹され、

そこで皇子が生まれました。

花杵尊(はなきねのみこと=スサノオ)

と名付けられましたが、この皇子

の気性は荒々しく、成長するにつれ、

その悪戯も度を超えていき、

ついに、母君である、イザナミは、

自ら息子の汚れ(隈)を我が身に

受けようとして、隈の宮(くまのみや)

(現在の熊野神社)を御建てに

なられたほどでした。

 

しかし、母君の痛むお心を傍らに、

花杵尊(はなきねのみこと)は、

その周辺の民の大切な生活の

よりどころであった、御山木

(みやまぎ)まで、焼いて

しまわれたのです。

その時、母君(イザナミ)は、

その山火事になりそうな、発火を

抑えるため、火の神である、

カグツチの神を召喚しましたが、

その火の神の勢いは余りある

ものがあり、母君の御身が

焼かれてしまい、瀕死のお体に

なりました。

 

その時に、イザナミ尊は、最後

の力を振り絞って、召喚された

神々がいました。

土の神である、ハニヤスメの神

水の神である、ミズハメの神でした。

 

さらに、この時、ハニヤスメの

は、ワカムスビの神を呼ばれ

ました。

こうして、これらの神々は、

うけの御霊と呼ばれる、神々となり、

ワカムスビの神は養蚕、農耕を

司る神として、世の人達に、

それらの技術をお広めになり

ました。

そして、イザナミ尊は命が絶えました。

(須田注;うけの御霊は、

現在の稲荷神社に

祀られている神でもあります。

ほかに、荷田麿命、保食神も、

祀られて 三神を荷田神と呼び

稲荷神社の、稲荷の由来と

なりました。)

 

さて、妻の死の知らせを受け取った、

夫君のイザナギ尊は、イザナミ尊

の亡きがらに、一目、浴さんと、

遺体の置かれた山の洞に、

向かったのです。

”姉上様の遺体は、決して、

ご覧になってはいけません”

と、妹のココリ姫箴言されても、

それに耳を貸しませんでした。

 

妻の亡きがらが安置されて

いるところに、到着しました。

遺体をご覧になると、そのお体

には、蛆がたかり、腐敗が

始まってました。

悲嘆にくれて、御帰りになった

ものの、まだ、未練が残り、

その夜再び、遺体が安置されている

洞窟に行かれたイザナギ尊でした。

ところが、亡くなったはずの

イザナミ尊が、面前に顕れて、

夫のイザナギ尊に言いました。

 

あなた様は、わたしの醜い姿

をご覧になった上に、また

いらして、私に恥をかかせ、

恨みます’

と、えらくお怒りになり、

醜女(しこめ)8人に、

イザナギ尊の後を追わせて、

その場から追い払おうと

なさりました。

[スダ注:このあたりが、黄泉平坂

(よもつひらさか)の下りとして、

古事記でも有名はお話しに

なっています]。

 

イザナギ尊は、這う這う(ほうほう)

の体で、ご自身の宮に戻られると、

その穢れをとるために、

熊野宮の傍を流れる、音無川で

禊(みそぎ)をされました。

そして、自ら、ヤソマカツヒの神

カンナオヒの神オオナホヒの神

を召喚なさり、これからの加護を

お祈りされました。

 

次に、筑紫のあわきに行かれて、

中川で禊されると、ソコツツヲの命

ナカツツヲの命ウハツツヲの命

を招き、この三神は、カナサキの

命に祀らせることにして、自らは、

アツ川に向かわれました。

そこで禊をしたのちに、召喚した、

ソコ、ナカ、ウハの海神(わたつみ)

命は、宗像命(むなかたのみこと

に祀らせました。

 

これらの神々の招来で、国(やまと)

は栄え、葦原(あしはら)に生えて

いた葦(あし)を引き抜いて、

1500の田んぼも増やし、秋になれば、

稲が生育して穂が成り下がり、

明るい国造りを為し得たのでした。”

 

と、オモイカネの尊は語ると、

さらに話を、本題である枕詞の

意義に続けました。

 

”さて、枕詞(まくらことば)の

最初の質問に戻ると、こうした

背景の理解のもとに、お答えで

きます。

足引きの’という枕詞は、’山’

にかかります。

それは、イザナギ尊が、黄泉平坂

の山から、醜女(しこめ)達

に後を追いかけられ、一目散で

逃げて、足を引き引き帰った

ことに由来します。

 

そして、もう一つの ’あしびき’ 

つまり、’葦引き’ は、’やまと’ 

にかかります。

これは、葦を引き引き、沼地を

開墾して田んぼをつくり、

大和の国をつくったからです。”

 

とオモイカネが”足引きの”の

枕詞について語ったあと、

次の枕詞の話に、進みます。

 

”’仄々(ほのぼの)’は、’明け’に

かかり、’鳥羽玉(ぬばたま)’は、

’夜’にかかります。

これは、ワカ姫が、きしいの国で、

オシ草を振って、害虫を掃った

話から来ています。

 

仄々(ほのぼの)とは、オシ草

の黄色の花を意味します。

漆黒(しっこく)の、鳥羽玉

(ぬばたま)の花は、赤い斑点

をもつことから、害虫被害で、

闇夜と化した、きしいの国に、

再び、稲をよみがえらせたという、

ワカ姫の功績をも、象徴しています。

(詳細は、秀真伝え1-10に出ている)

 

’島つ鳥’は、’鵜(う)’にかかります、

これは、川の流れの中、朽木

(くちき)に止まる鵜を見て、

筏(いかだ)を発明した、シマズヒコ

の命の’鳥’を意味しているのです。

(詳細は、秀真伝え27綾-12に出ている)

 

又、’沖つ鳥’は、’鴨’と'舟’にかかります。

これも、シマズヒコの命の子、

キツヒコの命が、鴨の泳ぐ風情

をみて、櫓(ろ)の舟を考案した

事績からきているのです。

(詳細は、秀真伝え27綾-12に出ている)

 

このようにしてみると、この綾に

書かれている神の歌

[スダ注:5・7調で、秀真伝え原文は、

歌形式として書かれているので、

このような表現をする]

の背景にある教えを、真摯に学べば、

鳥羽玉(ぬばたま)のような

夜のように暗い心でも、悟りに

目覚めて、心が明るくなることが

わかります。

 

心を清めるためには、歌に

したがって浄め、身を清める

ためには、禊(みそぎ)を行って、

清めるのです。

これが、’やまとの道’といわれる、

’歌の道’でもあるのです。”

(以上オモイカネの言葉)

 

黄泉平坂(よもつひらさか)は、

生と死を隔てる幽界の境界線でも

ある。

死が忌むものという発想は、

遺体に蛆がたかり腐敗している、

イザナミ尊の姿をここで登場させる

ことで古代から存在していたのだろう。

そこで、その境界線から、這う這う

の体(ほうほうのてい)で生還した

イザナギ尊は、禊(みそぎ)を三度、

毎回、異なる川で行い、天から守護

の神々を呼び、身を清め、やまとの

国を、もっと、栄えさせたことが

わかる。

 

歌の道の中で、こうした、超古代

に残されている神の話に因み、

”枕詞”が生まれたことも、興味深い。

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする