インフルエンザワクチンの意義は?(1) 2021/11/17
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毎年今頃になると、インフルエンザワクチンを打つのが
社会的には普通の感覚になってきた。
果たしてインフルエンザワクチンは、どのような背景があるの
だろうか?
結論からいえば、私は、犬の狂犬病ワクチンと同様、ほぼ、
現在では不必要なワクチンの一つではないかと思う。
狂犬病は戦後の日本、野良犬が路上にたむろするほど増えて、
その危険性はあったものの、昭和26年ごろから狂犬病
発生率は、日本では皆無なのである。
にもかかわらず、毎年慣例のように、このワクチン接種を
受けるために受付ハガキが、飼い主に保健所から届く
仕組みになっている。
一方、インフルエンザも毎年のように、猛威をふるうような
イメージが定着しているが、実際のインフルエンザウィルス
要因で、重篤になる比率は、ピークだった1960年代から
半世紀たったいま、ほぼ数%の割合に過ぎないという、
医学的データがある。
そのあたりを具体的に今日は、見てみたい。
2001年のインフルエンザウィルス、および、肺炎の死亡者
は6万2034人である。
そのうち肺炎が原因の死亡者は、6万1777人とされている。
その差の257人がインフルエンザウィルス感染の犠牲者といえる。
医学的データを見てみよう。
1997年から2013年までの、インフルエンザ抗体陽性者は平均
して16%(*1)で、2010年の国際的医学レポート誌調査(*2)
では、7-15%で、多く見積もっても85%、つまり、8割強は
インフルエンザ 感染が認められていないという結果になっている。
先に述べた狂犬病ワクチンと同様、必要のないワクチンを必要と
させて受けさせる社会的風潮を感じるという理由はここにある。
さらに、実際の15%のインフルエンザ感染者の死亡割合は、
そのうちの25%であるということが、科学的数値で発表されている。
(*3)
この感染者の死亡という言葉自体も、インフルエンザウィルスが
原因で死亡したのか、何か因果関係の合併症などで死亡したのか、
二つのケースが含まれているので、実際のインフルエンザウィルスが
直接原因で亡くなった人はさらに、減少していることも考えられる。
そもそも、このインフルエンザワクチンは1960年の接種開始時期
には、65歳以上が対象者であったにもかかわらず2000-2010年の
10年間で、ほぼ全人口が接種対象となってきた。
それも、ワクチンた登場する前の、インフルエンザ感染関連死亡率
が、劇的に減ってきていたのにもかかわらずという注釈が入る。
次のグラフ(*4)を見るとそれが顕著にわかる。
死亡率の最も高かった、1935-6年の45%から、10年後には、
10%強と減少、1965-6年には5%にさらに減っている。
そのまま死亡率は低下して、2005-6年には、ほぼゼロに近い値が、
統計的に出ている。
これに反論する方もおられるだろう。それは違うエヴィデンスを
使っている場合である。公的には、’インフルエンザワクチンは
冬場の関連死亡者の率を60%低下させる’(*5)といわれ、
ほとんどの医療機関ではその前提で、ワクチン接種を押しているからだ。
このような、ランセット誌のような著名な医学誌で、ワクチン有効性の
科学的エヴィデンスが発表されると、世の人は疑いなくそれを受け
入れるのは当然だろう。
が、2006年に、こうした医学研究に対しての問題点を指摘する(*6)
意見が出された。
それによると、以下の三つの問題点が指摘されている。
①こうしたインフルエンザワクチン効果や副作用についての、研究
発表はエヴィデンスレベルが低く、信ぴょう性高い、ランダム化
2重盲検比較(RCT)がされていないということ。
②ワクチン効果に関するエヴィデンスが、ほとんど無いこと。
つまり、ワクチンをしなくても、死亡率に変化がない、とか、2歳以下
の子供に対してのワクチン効果は、ワクチンを受けていない子供たちと
同比率であるという、従来の研究成果(*7) に対しての検証がなされて
いないこと。
③インフルエンザウィルス不活性化ワクチンの安全性評価に対する
研究が、きわめて、対象規模が狭いということ。
たとえば、コクランの調査によれば、12-28歳までの安全性評価の
研究対象者は、35名のみ。
一方、高齢者対象のワクチン効果評価は数百万に及ぶものの、ワクチン
安全性まで言及したものは、ランダム化比較試験において、わずか
5例しかなかったこと。(*8)
こうした背景を知るにつれても、現在のコロナワクチンの低年齢者
への接種への推移、コロナワクチンの実際的効果の検証や、今後の
長期的ファローによる副作用の有無などが不十分な現段階での、
ワクチン第三回接種や推奨などが、1960年代からの現代にいたる、
インフルエンザワクチン接種の動向・背景に似ているのように
感じるのは、考えすぎなのだろうか?
*1)BMG 2013;346.f3037
*2)Cochrance Database of Systematic Reviews,July 7,2010.
*3)JAMA 2003;289;179-86
*4)Am J.Pub Health 2008.98.939-45
*5)Arch interen Med.2005;165;265-72, Lancet.2005;366;2086
*6)BMJ 2006;333;912-5
*7) Cockrance Database Syst.Rev.2004:(3);CD1269
*8)Cockrance Database Syst.Rev.2006:(I);CD004879、
Cockrance Database Syst.Rev.2006:(3);CD004876