自然治癒力セラピー協会=Spontaneous Healing Therapy Japan

自然治癒力を発揮させるために、心と体の関係を考えます。

病になる禅宗坊主は、インチキ坊主だ。~山田無文師

2020年06月06日 | 自然治癒力・生命力・発揮する考え方


貝原益軒の養生の基本     2020 6月6日

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 理屈 理攻めの堅い文章には少し、飽き飽きしてきたところに、

実は 今日、賢者たちの言葉を読んでスカッとした次第だ。

それらの言葉をご紹介させていただきたい。

 

① 哲学者 デカルトの言葉 ”人間の純粋な知性が発達したら30歳以後は

医者はいらなくなる。”

 

当時デカルトの生きていた時代の30歳といえば、現代の何歳ぐらいの

感覚なのだろうか?

当時の平均寿命を考えれば、現代の働き盛りである、40~50歳ぐらい

に相当するのだろうか。。

彼のこの格言の中で、人間の純粋な知性 というのが要(かなめ)だ。 

どういう意味だろう?

 

わたしなりの理解としては、純粋な本来の人間本性のもつ”神性からくる

智慧”を指しているのだろうと思う。

その智慧に覚醒したら、”不完全で不調和な自分”という姿が消える。 

逆に言えば、完全で調和に満ちた自分を意識したとき、どのようにしたら

その姿に近づくことができるか~という智慧が出てくるだろう。

その智慧にしたがって生活を送れば、不完全な姿は消えて行く。

たとえば、その一つが病であろう。

 

当時の30歳が一人前の働き盛りを意味していたら、それ以後、この

目覚めた智慧によって、医師が要らなくなると言うことは、物質的な繁栄を

求めながらも、心身が調和されて、心の不完全さ、悩みや恐れ、イナスの

感情が原因で発生する病も発症しないだろうという予言かもしれない。

 

②山田無文老師が心療内科創設者池見酉次郎博士と対談した中の言葉

”禅宗の坊主で病気をするヤツはインチキだ”

 

これに関して 直にこの言葉を山田無文師から聞いた池見博士は著書(*1)

で次のようにコメントしている。

 

”禅では、外の世界がちゃんと見えているように、自己を訓練することが

根本になっており、これを内視といいます。

昔の禅宗の高僧には、病気で死なずに、自然死の人が多かったようです。 

座禅をしたままで死んだり、あるいは 立ったままで亡くなるという、

大往生の人がいます。 

こういう高僧の場合、純化された内心の声がその澄んだ心によって、はっきり

とらえられたものと思われます。 

 

たとえば、白隠禅師などは、’あと、3日すれば、死ぬ’と予告して、その通りに

亡くなっています。

これも内観の功徳ではないでしょうか。”(引用終わり)

 

ここで山田無文師は、するどい切り口で語ってる。 

つまり、禅宗のお坊さんは、本物だったら、病気はしないという。

修行によって、自分の純粋なる神性(仏性)を内観し続けてきている以上、

そこに不完全な心の曇りの映しは、身体に反映されるはずがないのだと・・・。

同感である。

 

③貝原益軒は養生の基本には ”医者でない素人が自分の体のことについては

専門家になると”養生訓”の中で語っている。

 

*自分の体がいかに有機的なつながりを持ち、自然調整されているか、

*どんな条件で体調が不調になり、どんな改善策でまた、元気になれる

ということ、

*食事はどの程度が適切で、運動量はどうか?、

*ストレスをためると自分の体のどの部分に影響が出て来るか

*快眠・快便・快食するときの毎日のルーティーンや自分らしいペースとは?

*快・不快の感情がどのような時にわいてきて、心を暗くしたり明るくしたりするか

*どういう環境に自分を置いたら、心身にエネルギーが満ちることができるか?

 

などなど、自分しかわからない自分の心身のことは自分が一番良く知っている

はずだし、そのことは、”健康になるマニュアル本”にはを書いていないはずだ。

 

”自分の体との向き合い方”の専門家になることは、自主的な健康を求める

ためにまず、一番 大切なことだ思う。

人が心配するから、まわりがこう言うから、大事になるのが嫌だから式の

”長いものに巻かれろ”の健康法では本当の養生からは離れて行ってしまう

とも思う。

 

養生とはどういうことか?

医学的にいうのなら、自律神経が整い新しい皮質の興奮が和らぎ、古い

皮質の働きが活性化して、両者のバランスが安定化しアンバランスが回復

に向かうということのようだ。

 

たとえば、筋肉には力が抜けて、脳内の各部署での力のバランスもとれて、

心身の安定化につながっていく。

数値的には血圧が下がり、血中のコレストロ―ルの濃度は下がり、内臓の

働きも活性化し 身体的な不調な部分正常化してくる。

反対に、胸がしめつけられるような感じや 速脈、腹が張ったような感覚、

突然襲われる不安感、体の部位のどこかの筋肉がぴくぴくする感じ、考えに

まとまりがつかなくなり集中力がなくなる、つまり、安定した状態を保って

いることが、養生の良好状態だと言えるだろう。

 

西洋にも”心”の安定を重視した、自律訓練法の礎を築いた先駆者として

医師達がいる(*2)

彼のその訓練法の根拠の考え方は とてもシンプルだ。 

如何に、身体の自然治癒力を引き出すか~そのためにいかにリラックスした

状態を自分自身で創りだすか?”ということだという。

池見博士によると、この自律訓練法の原理をつぎのように言っている。

 

”人間の脳には心と体の両面に生じたいろいろなひずみを自動的に調整

する作用がある。(スダ注:自然治癒力と同義)

”コンピューターより精確な、いやそれよりもずっと複雑で微妙なこの働き

の発動を促し、患者自身が持っている自然治癒力や可能性が,一番発揮され

やすい条件をつくれるように指導すること”。(引用終わり)

 

そして最終的に、自律訓練法によって導き出されたリラックスの状態こそ、

心身アンバランスな緊張感から生じる体の症状を改善するキーであると、

唱えた。

そうしたリラックスな状況の中で、過去の痛手や欲求、攻撃心などが積み

重なって固まったストレスが、自然に発散され、体の各部位の凝り固まって

いた箇所がほぐれて、浄化され、だんだんとリラックスな状況が造られて、

自然治癒力によって健康体に戻っていくと結論づけている。

 

こうした方法はきちんとした指導のもとに行われて初めて成果がでる

ものだろう。

 

とりあえず、山田無文師がいう、病気にかからない本物の御坊様に少しでも

凡人であっても、近づくためには、1日5分でも、自分の内面と静かに向き合う

時間がもてて行けたら、養生の第一歩に踏み出したと言えそうな気がしてきた。

 

 

引用部分

*1~ストレス健康法  昭和50年 潮文社発行

*2~1932年に、ドイツの精神科医シュルツJ. H. Schultz

(1884―1970)によって創始された。 

方法としては、イメージを用いる場合、背景として

自律訓練法を用いるのは、①自律訓練法によって

得られる意識変性状態、

ルーテLuthe,W.の言う「脳の中心脳保安開放機構」を

利用しよ うとするものである

 

ブリタニカ国際大百科辞典によると、”心理療法,

行動療法の基礎技法。 1932年,J.H.シュルツによって

体系づけられた。

 

身体の力を抜いてリラックスすることで,精神安定

バランスをはかる治療法。

1日3回,リラックスした姿勢で,手足の重さを感じる (重量感) ,

手足のあたたかさを感じる (温感) ,楽にをする (呼吸調整)

などの練習を段階的に行う。

 

意識を集中させ,自己暗示をかけることで,心身の機能・状態を

自分でうまく調整できるようにする。自律神経失調症,習などの

治療をはじめ,健康人のストレス解消など幅広く用いられている。

 ~と、この方法を定義している。

 

 

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