3日目のスケジュールは市内観光。治安とトイレのアドバイスを受けて、いざ出発。
モスクワ最大の観光名所はクレムリン。テレビで、ほんの10数年前までは、ソ連の象徴の赤旗が翻っていたのを見ていたので、今こうして観光客とし立っていることが信じられないくらいでした。
クレムリンは城塞を意味し、その中に巨大な権力を持つ皇帝の居城があり、さまざまな建築や宝物など、ロシア文化の最高の粋が集められていました。 「武器庫」にはエカテリーナⅡ世のきらびやかな衣装や宝石を散りばめた王冠、戦利品、献上品などの膨大な 財宝が展示され、世界の宝石はここに集まれり・・・のような錯覚を受けてしまいました。
肖像画のエカテリーナⅡ世はふくよかでしたが、戴冠式のときのドレスを見ると、こんなに華奢なウエストだったんですね。
「赤の広場」と聞くと、闘争猛々しく感じるけれども、この由来は雑然としていた広場を、17世紀に美しく模様替えをしたところから(美しい広場)、つまり「赤の広場」と呼ばれるようになったそうです。 私はてっきり革命の色だと思い込んでいました。レーニン廟の近くには片山潜の廟もありました。
広場の入り口には聖ワシリー教会があります。9本の不均衡なねぎ坊主は、それぞれひとつずつがロシア正教会になっているそうで、面白く美しい建物です。
モスクワ大学にも行きました。ここを卒業すれば、ロシア社会のエリートとして将来の出世が約束されるとか。ちなみに現地のガイドさんもここの出身だそうです。日本に来たことが無いのに、日本語ぺらぺら。四字熟語もことわざもバッチりで、びっくりしたり感心したり。ロシアの大学生は、よく勉強しているようです。 夕食後は、ボリショイ・モスクワ国立サーカスを楽しみました。円形ステージが真ん中にあり、3400席のどの席からも見れるようになっています。サーカスは久しぶりに見ました。
夜になり、いよいよサンクトペテルブルグに向けて出発。胸わくわくの、一等寝台の二人用コンパートメント。二つのソファー兼ベッドの間には小さなテーブル、窓辺には花、ティーポットと狭いながらも工夫がみられました。スナックボックスの中には、サラミソーセージ、イクラ、パンやジャム、ティーバッグなどが用意されており、ビールを買い込んでいなかったのが悔やまれました。トイレは聞いていたとおり、あまり快適なものではありませんでしたが。
眠るのがもったいない気がして、時々車窓から白夜の景色を楽しんでいましたが、いつの間にか、一日の疲れが熟睡へと導いていました。