腸脛靭帯炎

2007年01月19日 | 治療の話
※写真は右の脚を、外側から見ている図です。


「腸脛靭帯炎(ちょうけいじんたいえん)」


症状としては、(指差している辺りが)膝の曲げ伸ばしの際に激しく痛みます。


私が指差す先にある、縦に伸びる白い帯が腸脛靭帯と言う(骨盤とすねをつなぐ)靭帯で、

すぐ下に腿の骨の外側上顆と言うデッパリがあり、膝の曲げ伸ばしの動作で、

腸脛靭帯が外側上顆の上を通り過ぎるときに、モモの筋肉(外側広筋)と摩擦を起して

炎症を起した結果、発症します。

膝が20度~30度曲がった角度で腸脛靭帯が外側上顆の上を通り過ぎるので、

膝の曲げ伸ばしの角度が浅く、頻回になる長距離ランナーやサイクリストに

多く観られるオーバーユースシンドローム(使い過ぎ症候群)の一種です。


治療としては、

・アイシングと、安静。

・腸脛靭帯のストレッチ。

が、一般的です。

「休養によって痛みは引くが、運動を再開すると再発しやすい。」

との認識も一般的。



でも僕は、炎症の強い時期でも積極的に「ある部分」のマッサージをさせています。

そのある部分とは「筋膜張筋」。


このボールの位置にある筋肉で、腸脛靭帯のハリ具合を調節する筋肉です。

ここをテニスボールを使ってマッサージ(指圧かな?)。


たとえ炎症が強くても、これなら安全に靭帯と筋の摩擦を軽減できます。

もちろん、炎症を認めればアイシングも平行して行います。


他にも、内モモの筋力が弱いと「筋膜張筋」の緊張が強くなるので、

膝の間に20~30センチほどのゴムボールを挟んで「内転筋」の強化なんかも

試してみて、痛まないようなら早期からやっていただいてます。


とにかく治療初期は、モモと靭帯の摩擦がない状態を維持する事をだいじにします。

続いて、大腿四頭筋の内、外側広筋や筋膜張筋など、モモの外側にある筋肉ばかりを

使いすぎる運動パターン(身体の使い方の癖)を修正してゆきます。

私の印象では、一般的な方法より回復が早く、再発しにくいようです。

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