野球肘

2009年08月14日 | Weblog
野球肘といわれ2ヶ月病院通いをしていたという高校球児のA君。

2ヶ月前、投球練習を頑張っていたら痛み出したそうです。

はじめは肘の内側が痛んでいたそうですが、いまは肘の裏(肘頭の上辺り)が

バッティング練習をやりこむと痛み出すとのことでした。

彼は右利きですが右投げの左打ち。

そこからすると右腕の使用頻度が高いようです。

治療では、今現在の肘の状態を調べることからはじめました。

痛いという場所が腫れている様子はありません。

靭帯にストレッチをかけて、関節のグラつきや痛みが無いことから靭帯の故障は無いようです。

次に関節として向かい合った骨同士を互いにぶつかるように圧迫してみます。

これも痛くないとのこと。

骨や軟骨の問題もなさそうです。

しかし、肘を曲げきると左より少し抵抗が強いように感じます。

これは肘を伸ばす筋肉が縮んでいるサインです。

丹念に上腕三頭筋を探ると、

あったあった、

ありました♪

上腕三頭筋の内側より(内側頭)にトリガーポイントという筋肉の故障が見つかりました。

圧痛も強いようでしたので、まずストレインカウンターストレインという手技で痛みを散らます。

ある程度痛みに対する感受性が和らいだところで、

ASTR(アスター)という手技でしっかりストレッチ!!!!


ところで、

ストレッチといえば…




『のびぃ~る のびぃ~る

 どうだぁ、ストレッチパワーが貯まってきたろう!?


なんちゃってね!




え!?

ご存じない???


いやだなぁ~

みんなのヒーロー「ストレッチマン」ですよぉ~

知ってて知らない振りとか

勘弁してくださいよぉ


え?

ホンとに知らない!?



↓知らなかった方のために




ま、ストレッチマンは置いといて…

治療後5キロの取っ手つきのメディシンボールをスイングしてもらっても痛みや違和感は無いとのこと。

思わず笑みを漏らすA君。

セルフケアを伝え初回の治療は終了です。


私は彼が今回のような故障に陥った遠因を

右股関節の内旋方向への動きの悪さにあると考えています。

どういうことかと申しますと、

左で(右肘が前になります)バットをスイングしようとすると、

右の股関節が内に回らない分、腰も回らず

変わりに肘を伸ばすことでバットを振ることになります。

腰で振れていないとでも申しましょうか。

これでは肘を伸ばす作用を持つ上腕三頭筋に強い負担がかかってしまいます。

ふたたび腕に無理がかからないように、

再発予防には股関節の使われ方をかえる必要があるのです。

A君には、痛みが落ち着き次第、再発予防のためのコンディショニングに移ることを伝えました。

痛みが引けばそれで治療が終わるわけではないんです。


A君へ

次の甲子園までに、しっかり治してしっかりスキルアップして

目指せ全国制覇!

ですね

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