はやとちり

2010年06月14日 | 治療の話
大会を控え、膝の故障の相談で通院されている、

とある武道をたしなむAさん。

前回来院された時点で炎症がまだ落ち着ききっていなかったので

「先ずは腫れを納めることから始めましょう。」

と、3~6日の間、痛むような動作を避けるよう指示しました。

本日(日)の来院時、前回よりは動けるようになっている様子でしたが

患部がやけに熱を帯びている…

『まだ動くには早いって言ったのに。

 今からならまだ何とか試合に間に合う可能性もあるのに

 ここで無理しちゃ7月の試合どころじゃなくなっちゃうよ!?

 ほんとに言うこと聞かないんだから

 も~~~~~~

と、ある種の怒りに似た感情がこみ上げる。

たぶん目尻あたりからにじみ出てたと思う。

ニュルッと。

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どんな故障もその発症にいたる道筋があるのもです。

そしてその道筋は自然の理の内にあるものです。

その故障が治るにも、自然の理に沿った道筋があるんです。

時に一見奇跡のように「ありえない治り方」をしたものがあったとして

それは故障への最初の評価に誤りがあったと考えたほうか無難なのであって、

その故障は治るべくして治ったものだったと考えるのが自然です。
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カラダを傷め慣れてしまうと、カラダの悲鳴に無頓着になる方が

よくいらっしゃいます。

もう痛いのが日常なわけですから、

治療して痛みが軽くなるとすぐ

「うぉりゃ!」

ってやってしまう(泣)

で、

「治らない!(怒)」

って…



こんなとき、僕の脳裏には

賽の河原で石を積む子ども達が浮かびます

『一つ積んでは母のため~
 二つ積んでは…』

4っつだったか積みあがると天国に行けるんだったかな。

でも、積みあがる前に鬼が崩しにきちゃうんですよ。


なかなか治療にご参加いただけなかったときって

そんな、想いに打ちひしがれたり、がられなかったり。


Aさんの膝をみて

ま・た・か…

と、

思ったわけですよ。

思い余って

「なしてほんな無理したんだぃ」

と、問い詰めるわけです。

Aさん言いましたよ。

組み手の試合は止めにしようかとおもっているが、

お嬢さんと、奥さんと、家族で一緒に参加する種目がある。

これにはどうしてもでたいんだ

と。








なるほど。


そりゃ、無理の一つもしてしまいますよね…


僕もしちゃいますね、きっと…




忙しい仕事の合間の

少ない稽古時間、

そりゃ無理もするってか…



だからかぁ…


なんにでも「理:ことわり」ってあるんだなぁ…




なんか、僕

悪者みたいじゃないっすか…




はやとちり

か!?




でもね、すでに痛めてしまったんだから、

治すのに全力を傾けて欲しいのです。

僕のプランでは、試合の2週前ぐらいには間に合う予定です。

でも、今また痛めたら水の泡になる可能性が大きい。

いまは辛抱のし時なんだけど…

もどかしいですねぇ。

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