2010/9/20「肩峰下インピンジメント・五十肩の徒手的臨床」

2010年09月24日 | マニュアルメディシンの話
9月20に東京医療福祉専門学校にて、

肩の故障(肩峰下インピンジメント症候群と五十肩)についてお話させていただきました。




当日は60名前後の参加があり、遣り甲斐満点の一日となりました。

マニュアルメディシンでは、整形外科的な疾患を

「機能障害」という切り口で読み解き、治療してゆきます。

治療に際し、「○○症」といった疾患名ではなく、

痛みを訴えるその「肩」が、肩の持つ正常な機能からどのように逸脱しているのか

が治療の焦点となります。

この日、「肩峰下インピンジメント症候群」と「五十肩」という

別々の疾患をテーマに挙げてお話した真意は、

肩の正常な機能の回復を評価と介入の主軸にすえれば

たとえ疾患名が異なっていても同じベースで評価と介入ができ、

疾患名が明確でなかったときでさえ迷わずに治療ができるということ

と、

たとえ同じ疾患であっても、その介入は必ずしも同じではなく

それゆえに疾患名だけを見ても解決法にはたどり着けないということ

を知っていただきたいといった点につきます。

5/23日にも大阪にて同様のテーマでお話をさせていただきました。

2回目ということもあってか、さらに内容に磨きがかけられたように思います。

来年も同様のテーマにてお話しする機会があると思いますので

さらに解かりやすく、よりよい講義となるよう工夫を続けてゆこうと思います。

<当日の模様>


○ランドマーク:骨指標についてお話しているところ


○前鋸筋のASTRの紹介。肩甲骨が胸郭から剥がれないとき、多くは前鋸筋の伸張性の低下が原因しています。そして、前鋸筋への介入で素直に変化が付かないときには、筋連結を持つ反対側の内転筋の緊張が二次的に前鋸筋の緊張を生んでいるケースがあります。


○上腕筋のセルフASTRの紹介。肘関節屈筋群の短縮から上肢のマルアライメントが固定され、その結果、「屈曲型インピンジメント」といった肩甲上腕関節の機能障害を来たしているケースが見られます。


○指伸筋のストリッピングの紹介。三角筋の短縮は「屈曲型インピンジメント」の要因となります。その三角筋と筋連結の強い指伸筋への介入で肩関節の外転運動がどれだけ変わるのか体験していただいている様子。


↓○肩甲後面に付く回旋筋群と筋転結を持つ上腕三頭筋及び尺骨骨膜、手関節尺側の側副靭帯へ、手関節および肘関節への関節モビリゼーションによってどれだけ肩関節の外旋筋に変化が生じるのか体験していただいているところ。↓

○棘下筋や小円筋の伸張性低下による可動制限(内旋の制限)を確認しています。


○手関節と肘関節へモビリゼーションをかけているところ。


○介入前(2つ前の写真)と見比べてみてください。

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