空手少女のAさんは高校生。
週末に大阪で行われる全日本大会を控えているそうです。
可愛らしい外見とは裏腹に
世界大会上位入賞(中学生の部)の実力者…
世の中、人は見かけによりませんね。
Aさんのご相談は、
稽古中に強い「ふくらはぎ」と「肩」の疲労に襲われるとのこと。
また、蹴りが出しにくいともおっしゃいます。
調べてみると、胸郭(アバラのカゴ)が丸まったまま動きを失っています。
また、腹筋もだいぶ固くなっているようです。
Aさんの空手はフルコンタクトルール。
お腹をバンバン叩き合いますから、
試合中ずっとお腹を引き締め続けているのでしょうね。
お腹の筋肉は肋骨に伸びていますから、
お腹の筋肉がカチコチに固まれば、肋骨を介して胸郭がおじぎし、猫背になります。
ここでちょっと脱線します。
-----------------------------------------------------------
筋肉は縮めたまま使い続けると、
その長さが短くリセットされてしまいます。
これは「短い状態が普段使いになってしまう」ということなので
縮んだ筋肉がつなぐ関節の動きも窮屈になってしまい
関節や筋肉のトラブルの元となります。
------------------------------------------------------------
さて、Aさんの話。
私は、Aさんの諸々の悩みの大元はここにあると考えました。
と、申しますのも、
猫背になると肩の位置(肩甲骨の位置)は外に滑り、
肩を突き出された状態になります。
↑正常な肩甲骨の位置
↑「猫背」の時の肩甲骨の位置:肩甲骨の間隔が上の写真より広がっています。
この状態では胴体と腕の繋がりあいが悪くなりますから
力は伝わりにくいし、なにより肩関節を傷めやすいのです。
※肩甲骨が前に突き出た位置にあると、肩甲骨の向きに対して上腕骨がくの字に向き合うことになります。
この位置関係では上腕をしっかりと肩甲骨-体幹に固定できません。
パンチの際に肩関節がクッションになってしまい、力が伝わりきれないばかりか
それでも尚、強いパンチをうとうとすれば、肩関節の故障につながってしまいます。
※肩甲骨の向きと上腕骨の向きが直列にならんが状態です。
この「肩甲骨の向き」を肩甲平面:スキャプラプレインといいます。
この位置では肩関節を取り巻く筋肉が働きやすいので、故障しにくく、非常に強い力を発揮してくれます。
また、蹴りの際には多くの場合で、支点を胸に置くことになりますから
胸郭の動きが失われると、スムースに蹴りを打つこともできなくなります。
(下段蹴りは別。多くの選手はパンチと同じく骨盤に支点をおきます。)
↑胸を開きながら支点となり、胸より下が逆方向へと回転しています。
↑共に緑の線は股関節の角度をイメージして書き込んでみました。
青い線はフトモモの回旋する向きです。
下段蹴りもパンチも、股関節を曲げ(屈曲し)両方のフトモモを内側へ絞り込んで(内旋させて)います。
どちらの運動も回転中心が骨盤内にあるように見えるでしょう!?
また、背を丸めた姿勢では、踵に重心が移りやすく、
脛の筋肉への負担も増してゆきます。
以上のことから、Aさんの悩みの大きな原因を
腹筋の短縮に起因する胸郭の動きの悪さにあると考えたのです。
さて、果たしてこの推理は正しいのでしょうか?
検証に移ります。
先ずは徒手医学の技術を用いて、関節に出来上がった可動制限を取り除きます。
私「ちょっと蹴ってみて。」
Aさん「あ、蹴れる!」
結果は良好の様子。
推理も外れてはいなかったようです。
その後はコンディショニングとして
蹴り際の体幹と下肢の連動性を高めるエクササイズを行い
蹴り→パンチ
パンチ→蹴り
の連動性を高める神経系のトレーニングを行うと…
『うん、いい感じ』←手前味噌…
Aさん本来の動きが垣間見えるまでになりました。
あとは試合当日のアップに使って欲しいエクササイズと
その順序について説明し
この日の介入は終了です。
【Aさんへ】
おもっきり暴れてきてくださいね~!
週末に大阪で行われる全日本大会を控えているそうです。
可愛らしい外見とは裏腹に
世界大会上位入賞(中学生の部)の実力者…
世の中、人は見かけによりませんね。
Aさんのご相談は、
稽古中に強い「ふくらはぎ」と「肩」の疲労に襲われるとのこと。
また、蹴りが出しにくいともおっしゃいます。
調べてみると、胸郭(アバラのカゴ)が丸まったまま動きを失っています。
また、腹筋もだいぶ固くなっているようです。
Aさんの空手はフルコンタクトルール。
お腹をバンバン叩き合いますから、
試合中ずっとお腹を引き締め続けているのでしょうね。
お腹の筋肉は肋骨に伸びていますから、
お腹の筋肉がカチコチに固まれば、肋骨を介して胸郭がおじぎし、猫背になります。
ここでちょっと脱線します。
-----------------------------------------------------------
筋肉は縮めたまま使い続けると、
その長さが短くリセットされてしまいます。
これは「短い状態が普段使いになってしまう」ということなので
縮んだ筋肉がつなぐ関節の動きも窮屈になってしまい
関節や筋肉のトラブルの元となります。
------------------------------------------------------------
さて、Aさんの話。
私は、Aさんの諸々の悩みの大元はここにあると考えました。
と、申しますのも、
猫背になると肩の位置(肩甲骨の位置)は外に滑り、
肩を突き出された状態になります。
↑正常な肩甲骨の位置
↑「猫背」の時の肩甲骨の位置:肩甲骨の間隔が上の写真より広がっています。
この状態では胴体と腕の繋がりあいが悪くなりますから
力は伝わりにくいし、なにより肩関節を傷めやすいのです。
※肩甲骨が前に突き出た位置にあると、肩甲骨の向きに対して上腕骨がくの字に向き合うことになります。
この位置関係では上腕をしっかりと肩甲骨-体幹に固定できません。
パンチの際に肩関節がクッションになってしまい、力が伝わりきれないばかりか
それでも尚、強いパンチをうとうとすれば、肩関節の故障につながってしまいます。
※肩甲骨の向きと上腕骨の向きが直列にならんが状態です。
この「肩甲骨の向き」を肩甲平面:スキャプラプレインといいます。
この位置では肩関節を取り巻く筋肉が働きやすいので、故障しにくく、非常に強い力を発揮してくれます。
また、蹴りの際には多くの場合で、支点を胸に置くことになりますから
胸郭の動きが失われると、スムースに蹴りを打つこともできなくなります。
(下段蹴りは別。多くの選手はパンチと同じく骨盤に支点をおきます。)
↑胸を開きながら支点となり、胸より下が逆方向へと回転しています。
↑共に緑の線は股関節の角度をイメージして書き込んでみました。
青い線はフトモモの回旋する向きです。
下段蹴りもパンチも、股関節を曲げ(屈曲し)両方のフトモモを内側へ絞り込んで(内旋させて)います。
どちらの運動も回転中心が骨盤内にあるように見えるでしょう!?
また、背を丸めた姿勢では、踵に重心が移りやすく、
脛の筋肉への負担も増してゆきます。
以上のことから、Aさんの悩みの大きな原因を
腹筋の短縮に起因する胸郭の動きの悪さにあると考えたのです。
さて、果たしてこの推理は正しいのでしょうか?
検証に移ります。
先ずは徒手医学の技術を用いて、関節に出来上がった可動制限を取り除きます。
私「ちょっと蹴ってみて。」
Aさん「あ、蹴れる!」
結果は良好の様子。
推理も外れてはいなかったようです。
その後はコンディショニングとして
蹴り際の体幹と下肢の連動性を高めるエクササイズを行い
蹴り→パンチ
パンチ→蹴り
の連動性を高める神経系のトレーニングを行うと…
『うん、いい感じ』←手前味噌…
Aさん本来の動きが垣間見えるまでになりました。
あとは試合当日のアップに使って欲しいエクササイズと
その順序について説明し
この日の介入は終了です。
【Aさんへ】
おもっきり暴れてきてくださいね~!