昨日、
「バク転が上手くできないので何とかして欲しい」
と、
器械体操を習っているという小学生のお嬢さんが
お母様に連れられてコンディショニングにいらっしゃいました。
ああぁ~~~、バク転ね!
あの後にクルッて回るやつ!!
ああ~~~~!
知ってる!
見たことある!!!!
うぅ~~~ん、そっかぁ~~~~~~~
バク転が上手くいかないかぁ~~~~~!
オジサンもできません!


って…
それを言っちゃ始まらない。
ちゃぁ~んと身体と動きを評価すれば、やったことのない競技だって調整できる!
ってのが私のモットーですからね。
早速、姿勢のチェックから始めました。
かすかに顔が左に向いているほかは、ほぼ真正面に立てています。
次に柔軟性のチェックです。
私「大きく右に身体をねじってみてね。はい、次は左だよ。」
ここで若干左右の差が出てきました。
可動範囲としては申し分ないのですが、右に比べると左のねじりは若干大きいようです。
私「大きく後ろに反ってみようね。」
これも若干左にねじれるような動きが混ざりこんでます。
私「コーチにはなんて注意されるの?」
少女「身体が左に捻れてるって…」
内心、やっぱりな
などとほくそ笑みつつ次のテスト。
私「手で輪っかを作って、そこの写真のオジサンの顔を輪のまん中に収めてみて。
そのまま片目をつぶって」

利き目の検査ですね。
普段どっちの眼をメインに物を見ているかが分かります。
少女「右目で見るとまんなかにあるけど、左眼で見ると輪っかから外れちゃう」

やっぱり。
彼女の利き目は右。
って事は、普段顔を少し左に向ける傾向があるんです。
顔を向ける側に身体も向いてしまいやすいので、
左右の回旋(ねじり)の検査で左に向きやすいのもうなづけます。
これは個人的な見解なのですが、
人間、緊張する場面では普段何気なく、しかもよく使っている筋肉に
真っ先に力が入ってしまいやすいようです。(←神経の生理学的な特性に起因するのではないかと考えています)
きっと、まだ馴れないバク転の緊張に身体の癖が大きく出てしまっているのでしょう。
さて、修正開始です。
まず、目玉を動かしている筋肉の癖を取ることからはじめます。
その1 顔は真正面、片方の眼を手で覆います。
その2 目の前に差し出した人指し指を左右に動かし、
顔を動かさずに眼で追いかけます。
この少女の場合は右目が利き目ですから、
目玉を右へ引っ張る筋肉の緊張が強くなっています。
その証拠にどちらの眼でやっても、右へは追いかけやすいのですが
左へは追いかけにくいという答えが返ってきます。
ただ漫然と左右に動く指を追いかけていてもある程度は効果があるのですが、
より効果を高めるためにはこんな工夫があります。
ゐ)見やすい方向(この場合は右)へめいっぱい目玉を動かします。
ろ)そのまま、3秒間めいっぱい目玉を右へ向けようと努力します。
は)3秒経ったら今度めいっぱい目玉を左へ向け、10秒程度保持します。
に)ゐ~はを3~5回ほど繰り返します。
ほ)左右の眼を片方ずつやったら
今度は両目でゐ~はを3~5回ほど繰り返します。

ここまでできたら、もう一度輪っかを作ってチェックします。
利き目でない方で対象物を見たとき、
最初よりズレが小さくなっていれば成功です。
私「どう?さっきより真ん中に近づいたかな?」
少女「うん!」
どうやら上手くいったようです。
さぁ、セカンドステップです。
今度は、「使いやすい筋肉」と「上手く使えない筋肉」の
使われ方のムラを無くすエクササイズです。
まず、床の上で<前屈・後屈・左右側屈・左右回旋>をしてもらい
今どこまで動かせるのか?
窮屈な方向はどちらか?
自身で確認してもらったらエクササイズスタートです。

ハーフカットのストレッチポールに乗って、左右のねじり(回旋)運動を3~5往復行いました。
彼女の場合左への回旋はよいのですが、右へ戻す際にバランスを崩し易いので
安定するまでジックリと行います。
ねじりの動作に使われる筋肉のバランスが整ったところで、
今度は側屈です。

今度は左の側屈が不安定なようです。
これも、何度か繰り返すうちにコントロールできるようになりました。
さて、今度は前後屈です。
バランスツール上での後屈は結構むずかしいので、
前屈からバンザイを繰り返す事になります。
できる人はバンザイの際に顔を天井に向けるところまで行います。

エクササイズ後は再チェック!
無事に右への回旋も、後屈も均等に動けるようになっておりました。
さて、ここから先は競技に特化した状況をいかに再現するかといった御題になります。
うぅ~ん、どうしよっかなぁ~~~~~~
しばし沈黙…
でもね
パッと閃きましたよ
バランスボールがあるじゃぁないですか!!
バランスボールに仰向けでブリッジするように寝てもらい
介助しながらバク転を繰り返す事数回。
後方へ真っ直ぐに回る感覚がつかめてきたようです。
さて、仕上がりはどうだろうと最終チェック!
は、勿論バク転ができるかどうか実際にやってもらいました。
見事なバク転に本人ともどもニンマリ

ここまでで所要時間20分。
まだ、もう少しじかんがあるなぁ…
って事で、
私「他に気になることは在りますか?」
などと言ってみると…
少女「前宙が上手くできません
」
ぜんちゅう!?
前方宙返りのこと?????
オジサンもできません…
変な余裕が仇になったと申しましょうか…
内心「やぶからスティックに何言い出すのサ!!
」
なんて軽く後悔の念に駆られてしまいましたが
人間、追い詰められるとけっこう強いんですねぇ。
何とかしてしまいました
うふっ
さて、何をしたのかと申しますと…
久しぶりに長くなってしまったので続きは次回
TO BE CONTINUE
「バク転が上手くできないので何とかして欲しい」
と、
器械体操を習っているという小学生のお嬢さんが
お母様に連れられてコンディショニングにいらっしゃいました。
ああぁ~~~、バク転ね!

あの後にクルッて回るやつ!!
ああ~~~~!
知ってる!
見たことある!!!!
うぅ~~~ん、そっかぁ~~~~~~~

バク転が上手くいかないかぁ~~~~~!

オジサンもできません!



って…

それを言っちゃ始まらない。
ちゃぁ~んと身体と動きを評価すれば、やったことのない競技だって調整できる!
ってのが私のモットーですからね。
早速、姿勢のチェックから始めました。
かすかに顔が左に向いているほかは、ほぼ真正面に立てています。
次に柔軟性のチェックです。
私「大きく右に身体をねじってみてね。はい、次は左だよ。」
ここで若干左右の差が出てきました。
可動範囲としては申し分ないのですが、右に比べると左のねじりは若干大きいようです。
私「大きく後ろに反ってみようね。」
これも若干左にねじれるような動きが混ざりこんでます。
私「コーチにはなんて注意されるの?」
少女「身体が左に捻れてるって…」
内心、やっぱりな

などとほくそ笑みつつ次のテスト。
私「手で輪っかを作って、そこの写真のオジサンの顔を輪のまん中に収めてみて。
そのまま片目をつぶって」

利き目の検査ですね。
普段どっちの眼をメインに物を見ているかが分かります。
少女「右目で見るとまんなかにあるけど、左眼で見ると輪っかから外れちゃう」

やっぱり。
彼女の利き目は右。
って事は、普段顔を少し左に向ける傾向があるんです。
顔を向ける側に身体も向いてしまいやすいので、
左右の回旋(ねじり)の検査で左に向きやすいのもうなづけます。
これは個人的な見解なのですが、
人間、緊張する場面では普段何気なく、しかもよく使っている筋肉に
真っ先に力が入ってしまいやすいようです。(←神経の生理学的な特性に起因するのではないかと考えています)
きっと、まだ馴れないバク転の緊張に身体の癖が大きく出てしまっているのでしょう。
さて、修正開始です。
まず、目玉を動かしている筋肉の癖を取ることからはじめます。
その1 顔は真正面、片方の眼を手で覆います。
その2 目の前に差し出した人指し指を左右に動かし、
顔を動かさずに眼で追いかけます。
この少女の場合は右目が利き目ですから、
目玉を右へ引っ張る筋肉の緊張が強くなっています。
その証拠にどちらの眼でやっても、右へは追いかけやすいのですが
左へは追いかけにくいという答えが返ってきます。
ただ漫然と左右に動く指を追いかけていてもある程度は効果があるのですが、
より効果を高めるためにはこんな工夫があります。
ゐ)見やすい方向(この場合は右)へめいっぱい目玉を動かします。
ろ)そのまま、3秒間めいっぱい目玉を右へ向けようと努力します。
は)3秒経ったら今度めいっぱい目玉を左へ向け、10秒程度保持します。
に)ゐ~はを3~5回ほど繰り返します。
ほ)左右の眼を片方ずつやったら
今度は両目でゐ~はを3~5回ほど繰り返します。


ここまでできたら、もう一度輪っかを作ってチェックします。
利き目でない方で対象物を見たとき、
最初よりズレが小さくなっていれば成功です。
私「どう?さっきより真ん中に近づいたかな?」
少女「うん!」
どうやら上手くいったようです。
さぁ、セカンドステップです。
今度は、「使いやすい筋肉」と「上手く使えない筋肉」の
使われ方のムラを無くすエクササイズです。
まず、床の上で<前屈・後屈・左右側屈・左右回旋>をしてもらい
今どこまで動かせるのか?
窮屈な方向はどちらか?
自身で確認してもらったらエクササイズスタートです。

ハーフカットのストレッチポールに乗って、左右のねじり(回旋)運動を3~5往復行いました。
彼女の場合左への回旋はよいのですが、右へ戻す際にバランスを崩し易いので
安定するまでジックリと行います。
ねじりの動作に使われる筋肉のバランスが整ったところで、
今度は側屈です。

今度は左の側屈が不安定なようです。
これも、何度か繰り返すうちにコントロールできるようになりました。
さて、今度は前後屈です。
バランスツール上での後屈は結構むずかしいので、
前屈からバンザイを繰り返す事になります。
できる人はバンザイの際に顔を天井に向けるところまで行います。


エクササイズ後は再チェック!
無事に右への回旋も、後屈も均等に動けるようになっておりました。
さて、ここから先は競技に特化した状況をいかに再現するかといった御題になります。
うぅ~ん、どうしよっかなぁ~~~~~~

しばし沈黙…
でもね
パッと閃きましたよ

バランスボールがあるじゃぁないですか!!
バランスボールに仰向けでブリッジするように寝てもらい
介助しながらバク転を繰り返す事数回。
後方へ真っ直ぐに回る感覚がつかめてきたようです。
さて、仕上がりはどうだろうと最終チェック!
は、勿論バク転ができるかどうか実際にやってもらいました。
見事なバク転に本人ともどもニンマリ


ここまでで所要時間20分。
まだ、もう少しじかんがあるなぁ…
って事で、
私「他に気になることは在りますか?」
などと言ってみると…
少女「前宙が上手くできません

ぜんちゅう!?

前方宙返りのこと?????

オジサンもできません…

変な余裕が仇になったと申しましょうか…
内心「やぶからスティックに何言い出すのサ!!

なんて軽く後悔の念に駆られてしまいましたが
人間、追い詰められるとけっこう強いんですねぇ。
何とかしてしまいました

うふっ

さて、何をしたのかと申しますと…
久しぶりに長くなってしまったので続きは次回
TO BE CONTINUE
