ああ、もう彼岸花も終わりだ。ことしも写真を取り損ねちゃった。そう思いながら運転していたら、まだきれいな彼岸花を見つけました。 彼岸花は、その赤さのせいか、名前のせいか、嫌う人もいますが、わたしは好きです。たくさんの花がうまく譲り合ってひしめいている様子がとてもおもしろいですね。子どもの中には、彼岸花を見ると片っ端から棒でなぎ倒していく悪童が一人二人いるものですが、大人に先入観を植え付けられているのかしらって思ってしまいます。
さて、これを見つけたのは、大きな楠がうっそうと茂って森のようになっているところの片隅です。車から降りてみたのは初めてなので、この森の中はどうなっているんだろう、とのぞいてみました。
うわっ! お墓がこっちを見ている!
木に囲まれて全く光が差さず、夕暮れのように薄暗い、静謐な空気の流れる墓地でした。これはちょっと怖いかも。わたしは早々にその場を離れました。立ち去るとき思わずお墓に一礼してしまいました。
墓地の近くの柿畑。向こうに彼岸花が群れ咲いていてきれいでした。
白色の彼岸花。これは人が植えたものと思われます。
墓地を挟んで柿畑の反対側は、誰も耕作していない荒れ地になっていました。
道からでもひときわ目立つ白い花。葉はミョウガやショウガの葉に似ています。きっと仲間だろうと思うけど何かしら。
アゲハチョウがカラスウリの葉で休んでいました。
なんだか知らないけど・・・・ 地味ねぇ
これはキンミズヒキかな?
ほとんどが葛の葉で覆われていますが、それでもいろいろな植物がありました。
このように荒れ果てた土地がこのあたりにはたくさんあります。年をとって農業ができなくなったとか、跡継ぎが余所へ出てしまったとか、理由はいろいろだと思いますが。そして、棄農された土地はまたたく間に葛とカラスウリと野ブドウとに占領されてしまうのです。 昔の人は、葛粉をとったり天花粉をとったりして野草も生活に生かすことでこうした植物が増えすぎるのを巧まずして防いでいたのでしょう。
荒れた土地を見ると、過疎に拍車がかかっているようなわびしい気がしてきます。