ゴミを捨てに行ったら、あたりに馥郁たる甘い香りーキンモクセイの花でした。 「キンモクセイが咲くと祭りが近い。」と、このあたりでは言われています。
ところがわたしは、「祭りが近いのに今年はキンモクセイが咲かないなあ。 気温が高いからなんだろうか。 彼岸花がまだ咲いているくらいだもの。」と思っていたのです。 理由は簡単、うちのキンモクセイが咲かないからです。 でもそれは気候のせいではなくて、どうも去年の剪定が悪かったようですね。 新しく剪定を頼んだおじさんが、どの木もばっさばっさと豪快に切ってしまい、剪定に強い梅でさえ梅雨になるまで葉が出ないという有様でしたから。
よそのおうちのキンモクセイは、こんなにみごとな大木。きれいに刈り込んでいますね。
というわけで、キンモクセイは祭りに間に合いました。
十月中旬、 愛媛県の東予地方は、祭り一色です。 昨日はNHKのニュース7で西条祭りの映像が流れていました。 西条市旧市内の秋祭りは、豪華絢爛たるだんじりが練り歩くことで有名です。特に16日、伊祖乃神社祭礼の最終日には、「川入」といって、神様の乗ったみこしが加茂川を渡って神社に帰ります。 祭りの終わりを惜しむだんじりが、もう少し長く神様にとどまっていてもらおうと、川の中へ入ってみこしの行く手を阻みます。 土手には約80台のだんじりが並んでそれを見守ります。 次第に夕暮れていく中、だんじりにつけられた何十個という提灯に明かりがつけられ、それはそれはきれいです。
とはいうものの、交通規制があったり、駐車場が確保できにくかったりで、わたしも一回しか見たことがありません。 写真がないので、西条市の観光情報ページをごらんください。 動画も配信されていますよ。
西条祭りが終わると次は新居浜太鼓祭りです。 こちらは太鼓台とよばれる巨大な山車を150人もの男たちが担ぐという勇壮華麗な祭り。 これも新居浜市に勤務していたとき1回見ただけですが、いろいろ教えてもらいました。 太鼓台の四隅に巨大な房飾りがついていますが、この房がぱっぱっと二つに割れるようにゆれるのが上手なかきかただとか。 かき手の気持ちがそろわなければできないんだそうです。 かき手は、自治会から配られるはっぴを着て腕章をつけます。 腕章には名前と年齢が書いてあるのですが、 高校生ぐらいの男の子が48歳なんて腕章をしていたりしてー きっとお父さんにせがんでかかせてもらったんでしょうね。
祭りの様子は新居浜市のホームページをごらんください。
わたしの住むところの祭りは至って地味で、数人のおとながみこしをかき(順番制です)、宮入の時に子どもの奉納相撲大会が行われるだけです。かつては獅子舞もあったのですが、どうもする人がいなくなったらしいです。 夫の話では、もともとここの神社に獅子舞はなく、戦後、隣の神社の獅子舞を教えてもらってするようになったんだとか。 ちょっとがっかりするような話ですが、西条祭りも、もとは新居浜市大島のだんじりを気に入った西条藩のお殿様が藩の者にまねさせたのだという記事を読んだことがあります。 伝統行事って、その地方独特のものと思っていますが、案外物まねが広がってこうなったのかもしれませんね。現に、周辺地域ではだんじりや太鼓台が増えているようですから。
さて、西条祭りは終わりました。 聞くところによると、祭りの翌日には、町に「祭りまであと364日」というポスターが貼られるんだとか。