実物は見たことがないけれど、わすれられない名前の植物があります。
ママコノシリヌグイもその一つ。 なんと強烈な、そして意味ありげな名前。
なんでもとげがいっぱいあるらしい。 葉が三角で、つるのように伸びるらしい。 それでわたしは長い間これをママコノシリヌグイだと思っていました。
本当の名前はイシミカワ。
三角の葉、鋭いとげ。樹木を覆い尽くすほど伸びる茎。 でも、花がちがっていたのです。 なんでもママコノシリヌグイの花はミゾソバに似ているらしい。
じゃ、これかな?
残念でした。 これは本物のミゾソバ。 葉が牛の顔に似ているんだそうです。 田んぼへ行くときも注意深くあたりを観察して(車には乗っていません)、やっとそれらしきものを見つけました。
可憐なかわいい花。 三角の葉。 茎にはしっかりととげが見えます。
長い間、木にからみついたイシミカワを取り除きながら、いつも考えていました。 なぜこれが継子の尻ぬぐいなのか。
わたしの答え
1 昔の継母は、 継子がにくいのでほんとうにこの草でこどものおしりを拭いた。ー まさか、そんな残酷なこと。 子どもは痛くて泣き叫ぶでしょう。
2 とげのあるこの植物は素手ではさわりたくない。継子のおしりをぬぐうのと同じくらいいやだ。 ー わが子の尻ぬぐいは苦になりませんもの。
3 この植物をさわるのがいやなのと同じくらい継子のおしりをぬぐうのはいやだ。ー 継子の世話などしたくない。
5,6月頃、新聞に児童虐待の特集が組んでありました。 そこで、虐待する人のトップは実母、ついで実父、3番目にその他の父(継父など)で、継母は4番目でした。 (ただ数字上の統計だと当然このようになりますが、割合でいくと違うかもしれませんね。) これを見る限り、虐待は継母がするとは限らないようです。
でも子どもの頃は、なぜか継母が継子をいじめるのは当たり前のような感覚でいたように記憶しているのですが、大変な誤解だと思います。教師になってから、血がつながっていなくても一生懸命愛情を注いで育てているお母さんを何人か見ました。
継母は当然のことのように継子いじめをするもんだとでも言いたげなこの名前、なんとも心ない名前だと思うのですが、なんとか変えられないものでしょうかね。鋭いとげはこの植物の欠点ですが、欠点を言い立てる名前ではなく、可憐な花をつけるという長所に目をつけた名前がほしいなあと思います。