産直広場に行ったら、駐車場にずらっとテントが。 見れば、菊花展でした。 農協の15支所から、菊作りをしている人が出展しているのでした。 まだ開き始めたばかりのが多く、 見頃はもう少し後になりそうですが、 しっかりと開いているのもありました。
赤い菊。 3本立て
びっしりとつぼみがついた懸崖
もう15,6年前のことですが、学校で菊を育てている校長先生がいて、(もちろん環境を美しくするため、ひいては子どものためですよ) 毎日脇芽を取ったり、肥料をやったりと、1年生の教室の外で世話をするんだそうです。 1年生の先生はちょっと迷惑顔。
別の学校では、地域のおじいさんが、学校に飾るための菊を育ててくれていました。 子どもたちと山へ腐葉土を取りに行き、子どもたちが水やりをして、むずかしい脇芽摘みなどはおじいさんが学校に来てしてくれて、と、2人3脚できれいな花を咲かせました。 台風がくるとみんながおおわらわで校舎の通路に取り込むのです。
毎年菊が咲くと学校に持ってきて飾ってくれる人もいました。 それはそれは見事に咲いていて、玄関がぱあーっと華やかになりましたが、子どもたちが花の首を折らないように、花びらを落とさないようにと、先生たちははらはらしてました。
と、こんな風に菊作りは手間のかかるものです。 菊の思い出にはちょっぴりほろ苦さが混じります。 わたしは、ただ一つの花に愛情を注ぎ込むなんてことはとてもできませんので、大輪の菊だけは植えたことがありません。
ところで、この手間暇かかる菊作りをしている高校生がいます。 きょう、通りかかったら、あすの菊花展(展示即売会)の準備に大わらわでした。
寒冷紗にテープで書いた字でしょうか。 写真ではわかりませんが黒い寒冷紗の向こうには菊がたくさんあって、女子高校生の楽しげな声が聞こえていました。
男子生徒は力仕事の係のようです。 むこうに懸崖がたくさん見えます。 今年は菊花展までに花が咲くんだろうかと人ごとながら気になっていましたが、懸崖はついに間に合わなかったようですね。
この高校には園芸科があって、実習で野菜や花の栽培をしているのですが、この菊花展は、しっかりと育ててあるし、市販のものより安いので、たいへん人気があります。 春には野菜苗や花の苗を即売しています。 こちらも大変な人気で、 午前中にほとんど売り切れてしまうほどです。
菊や野菜を育てるという地味な勉強に取り組む子ってどんな子? わたしの教え子も何人かいますが、中には農業系の大学に行って、農業をしている子もいます。 また、親の反対を押し切って園芸科に入った子もいます。本当に嬉々として勉強するので、園芸科に入れて良かったとお母さんが言っておられました。 また、仕方なく入学してから、植物を育てることに興味を持った人もいるのではないでしょうか。