秋の県展がはじまりました。
失敗を重ねたわたしの作品ですが、なんとか入選いたしました。 例の空の汚れは、結局鳥にしました。 4羽の鳥が飛んでいるところをかくと、他の点々も鳥に見えてくるから不思議です。
それはよいのですが、作品が出来上がってうちに持って帰り、下の娘に見せたときのことです。絞り染めをくりかえして作った石畳の部分はほめてくれました。
でこぼこして見えるのは、下にコルクシートを石の形に切ってはってあるからです。 でも、西洋の石畳のような並べ方をしたらよかったかなあ。
娘は、作品に関しては大変手厳しいのです。
煙突がひっこんどる。 ここも立体的にせんといかんじゃろ。
あとで気がついたんじゃけどね。 ボンドではった後でどうにもならんかった。
はじめから考えて作らんと~。 これで賞が1段階ちがうじゃろ~。
ちょっとそこを立体的にする方法が難しかったから。(言い訳)
技術的にできんことじゃなかろ~。 できるのにせんのは(しないのは)手抜き言うんよ。
ごもっとも
空の色もー。 建物が夜に近いのに妙に空が明るい。
はい、 なおします。
それに、なんか平板。 石畳の複雑さに合ってない。
はい、雲を入れてみます。
で、こんな風に赤い雲や紫がかった雲をいれてみたのですけど、それでだいぶ雰囲気がよくなりました。
まだ他にも細かいことを2,3点。 すべて修正しました。 そして
「やっぱりえんとつがー」
それはどうにもならないんだってば。
この作品は、部分的に革の下にパッキングをしてレリーフのように浮き出させているのですが、煙突部分にパッキングをしなかったせいです。 屋根の部分は、スタイロフォームをけずって入れてあります。 壁は、紙粘土で石造りのでこぼこを出しています。 そして石畳はコルクシートです。 このパッキングの作業が、最後の大仕事なんですが、 いかんせん、時間が足りない! もちろん1回目の大失敗をやり直したために。 煙突はま、いいか、と考えたのが大間違いで、 机の上で見るときは気にならなかったのに、完成して立てて見てみると、 煙突がゆがんで見えるのです。
「2度あることは3度ある。」 これが3回目の、決定的なミスでした。
これが作品の全貌です。 モデルはデュリュビュイの街角ですが、写実ではありません。 描きたかったのは、街に灯りがともりだした頃の黄昏の光景。
「去年の作品の方が好き。」 とどめの一言でした。
娘は、他の人の作品を見てないので、わたしの今までの作品と比べて批評します。 「ライバルは昨日の自分」と、よく子どもたちに言ってきたわたしですけれど、逆に言われる立場になってしまいました。
ああ、できればはじめっからやり直したい。 構図もちょっと気に入らないことがあって。
わたしって案外職人気質かも。