年金引き下げ
2013年9月30日(月)
年金を受給する世代になり、年金問題に目を向けざるを得ません。
現行の年金水準が高いか低いか、多く論があります。それは、ちょっと置いときまして、今後の年金の引き下げについて見てみます。
年金の2.5%の引き下げが決まっています。2013年10月1%、2014年4月1%、2015年4月0.5%、合わせて2.5%です。これは、これまで物価が下落していたにも関わらず、年金の額を据え置いてきたので、物価水準に合わしましょうということです。
また、次の段階として、マクロ経済スライドにより2016年以降も引き続き毎年1%の減額を行おうという動きがあります。
注 マクロ経済スライド
仮に、2013年10月から減額が10年続くとすると、約10%年金が減額することになります。消費税は2014年4月から8%へ、更に2014年10月から10%へ増額されることが濃厚な情勢ですので、合わせて15%、実質可処分所得が減少することになります。年間で1か月分以上の減額は、少々節約したくらいでは補える額ではありません。
ここで注釈です。消費税が上げられたら、年金は物価スライドだからその分上がるのではないの?という疑問です。確かにそうですが、物価指数として、TV、パソコン、冷蔵庫、エアコンなど下落が激しいものが含まれていますので、実際に消費税が上げられた分だけ引き上げられるかは大いに疑問です。
更に問題なのは、健康保険料、介護保険料などが今後大きく上昇すると見込まれる中で、これらの費用は「物価」には含まれていませんので、先に予想した15%の可処分所得の減少は、もっと大きくなる可能性だってあります。
基礎年金のみの受給者は819万人、厚生年金を合わせても月10万円以下の人は約1,300万人います。これらの人の生活が大打撃を受けることは間違いないでしょう。
全ての人にバラ色という政策はないと思いますが、消費税増税という逆累進性の税を賦課する訳ですから、ここでは、持てる人の出番だと思います。
昨日のブログで書きましたが、相続税を増税し年金財源に繰り入れるという政策が求められると思います。
そうでないと、せっかくの100年安心のためのマクロ経済スライドが、お先「マックラ経済スライド」になります。
注 年金者しんぶん(2013年9月15日)を参照しました。