萩原麻未ピアノ・リサイタル 2014.6.14 しまなみ交流館
2014年6月15日(日)
萩原麻未は、聴く者をして、とてもハイな気分にさせるピアニストだと思います。そして、選曲そのものも、ハイにさせるものがありました。第一部最後のドビュッシーの喜びの島、そして第二部最後のラヴェルのラ・ヴァルスです。
ドビュッシーの喜びの島は聴いた記憶がないのですが、FM録音のリストを確認すると録音していました。改めて我がリスニングルームで聴いてみました。やはり実演程の迫力はありません。実演ではピアノが壊れるのではないかというくらいの激しい打鍵があり、ペタルを踏む音も楽器の音としてではなく、フロアを叩き付けるような音が聞こえたのです。
萩原が得意とするのは、ドビュッシーやラヴェルというフランスものですが、どうやらその中でも激しい曲が似合うと私は思います。
月の光は、情景をイメージできる曲です。私の場合は、夜に月が湖面に映っている情景です。ピィーンと張りつめた弦の余韻は清冽な水のイメージです。
萩原のショパンですが、他の演奏者とは「間」の取り方が少し違うような気がします。かつての萩原の演奏で、ムソルグスキーの展覧会の絵がなんとなくラヴェルの音楽のように聞こえたことがりますが、今回の「間」も印象派のような傾向ではないかと感じました。
・2014年6月14日、尾道市しまなみ交流館
・フォーレ ノクターン第1番変ホ短調
ノクターン第4番変ホ長調
・ドビュッシー ベルガマスク組曲 前奏曲、メヌエット、月の光、パスピエ
・ 喜びの島
(以下第二部)
・ショパン ワルツ第1番変ホ長調「華麗なる大円舞曲」
ワルツ第9番変イ長調「告別」
ワルツ第6番変ニ長調「子犬のワルツ」
・ラヴェル 高貴で感傷的なワルツ
ラ・ヴァルス
電話予約しておいて、当日料金を払って入りました。こんなに便宜を図ってくれるホールもあるのです。チケットは全席自由席で2000円也と格安でした。
開演35分くらい前に入場開始となりました。さすがにジュネーヴ国際コンクール優勝者だけあって、長蛇の列です。
萩原にはショパンやチャイコフスキーコンクールに挑戦してもらいたいと思いますが。お母様の話では、あんなに緊張するのはもう嫌ということでした。(チケットの前売りに並んでいた時、偶然にお母様と話をする機会があり、私が不躾に「ショパンやチャイコフスキーコンクールはどうですか?」と訪ねたのです。)
ピアノが少し小ぶりに見えたので、スタッフに尋ねてみました。「フルコンサートですか?」スタッフは少し遠慮気味に「はい、一応、シュタインウェインのフルコンサートグランドピアノでございます。」私「失礼いたしました。」690席のホールですが、立派なピアノを置いておられます。でも、ヤマハでも良いのではないかと思うのですが・・。
私が座った席です。理想的な場所と思います。ただ、頭が写っているお母さんと左側の小学生と思しき息子さんが、終始ヒソヒソ話をしているのが気になり、集中できませんでした。マナーがイマイチでした。月の光の演奏の時に、後ろの席からイビキが聞こえるのです。人の迷惑になる行為はしないようにしましょうね。
駐車場がある隣のビルに2階の通路でつながっており、便利です。
11月には萩原のピアノでフランクのピアノ五重奏曲を聴きに行く予定です。