水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

10月5日

2008年10月05日 | 日々のあれこれ
 多くの部員が「3出団体演奏会」にでかけた今日は、その演奏会の存在を知る前に購入していた「トゥーランドット」を観にでかけた。
 ちゃんとしたオペラを観るのはうまれて初めての体験だったが、なるほど、オペラは歌舞伎だと思った。
 欧米の人にとってのオペラというのは、どういう位置づけなのだろう。
 たぶん芸能としては上品というか、ハイクラスな娯楽なのだろう。
 それは今の歌舞伎も同じだが、もともとは大衆芸能だったという点も同じじゃないだろうか(はっきりいって音楽史をまったく知らないまま書いているので、的はずれかもしれないが、そんな気がしたので)。
 それから声の出し方が普通でないことも同じだ。
 音楽のゴージャスさに比べ、劇の内容自体はたわいのない、というか大衆的というか、はっきり言えば底の浅いものであることもたぶん似ていているんじゃないかなとも思った。
 それにしても歌はすごい。オーケストラもまあまあ。
 それに比して、舞台上の人々の立ち居振る舞い、衣装、大道具など何一つとってもあまりにチャチいことに驚いた。トゥーランドットを中国の人が観て肚が立たないのかな。
 だから、ものすごくもったいなかった。
 音楽だけを聴きたかった。字幕を観なければいいのだが、つい観てしまう。
 でも、いい音楽だった。けして聖なる境地のそれではない。
 凡人のおれでも理解できる範囲であり、まちがいなく俗に属するものでありながら最高の境地の美しさを有しているものだった。 
 
 
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする