水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

海街Diary

2008年10月13日 | 日々のあれこれ
 『海街Diary』の2巻が出た。1を読んだあとこれほど2が待ち遠しかったマンガはない。
 10月だけど、これを今年読んだマンガのベスト1に、ていうかここ数年のベストとさせていただきます。
 漫画史に残る名場面は1巻の最後に生まれる(いま思いついた)。
 根拠として思い浮かぶのは2作品だが、これって、なんとなく言えてそうじゃないですか?
 ひとつは、だれでも「ああ、あれでしょ」って言うシーンだと思うけど、「NANA」ね。ナナがはちに「忘れられない夜にしてあげる」というところ。
 あれは、しびれた。
 かっこいいーー! と叫びたくなった。
 そう、ちょうど昔バッハザールでイーストコーストの3楽章をばりばりテンポあげてジャン! て終わった直後に、客席の女子高生が「カッコイイーッ!」と叫んだように。
 『海街Diary』は、鎌倉を舞台にした四姉妹のお話だ。
 鎌倉の古い屋敷にすむ3姉妹は、幼いころ両親が離婚して父親がでていき、その数年後こんどは母親もよそに男をつくってでていってしまう。
 その父の訃報が届くところから物語ははじまる。
 ほとんど記憶のない父の葬儀に、山形へと向かう3姉妹。
 駅に迎えにきたのは、自分たちの異母妹の「すず」だった。
 しっかりした長女、大酒飲みの次女、マイペースの三女それぞれキャラが立っているし、また葬儀の場で繰り広げられる会話には人生の機微が満載だ。
 そこそこ人生経験のある方の方が楽しめるマンガだと思う(たぶん)。
 で、1巻の最後、鎌倉に帰る三人の見送るすずちゃんに、長女さちが列車のタラップから声をかける。
 「あんた、うちに来ていっしょに暮らさない?」
 ここは、NANA1巻ラストに匹敵するシーンだ。
 待ちに待った2巻では、このすずちゃんの視点にたって、物語が展開していく。

 同じく『アポロンの坂道』も2巻が出た。
 小玉ユキにはずれなしの合い言葉(いま作った)どおり、設定は典型的かつ古典的な少女漫画なのだが、ドキドキしつづける。これもすごい。

 

 
コメント
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