水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

漢文の授業

2008年12月04日 | 日々のあれこれ
 県北のある公立高校で行われた研究協議会に参加させていただいた。
 全体会で、その学校全体の進学指導の取り組みを聞いた後、国語の授業検討会。
 漢文の演習授業である。進学校なので、3年の最終段階におけるセンター試験型式問題の演習だった。
 授業後の検討会でも話させてもらったが、予備校のような授業だと感じた(もちろん、非難する意味ではなく)。
 てっきり公立は、進学校とはいえども正規の授業の中では、じっくりと教科書的教材にとりくんでおられるのであろうと思っていたが、あまかった。
 公立高校といえども、趣味的に文学を教えられる方は、なかなか存在しえなくなってきているのだろうか。
 昔はそういう先生がたくさんいらっしゃって、そしてそれが決して受験的な力の養成と実は相反してなかったはずだが、今は世情が許さないかもしれない。
 埼玉の公立超進学校は伝統校ばかりで、受験的には生徒まかせというイメージが長くあった。
 公立とちがって細かく進路指導しますよ、というのが、私立高校のひとつのセールスポイントであったが、最近はきびしい。
 ただし、公立の場合、イニシアチブをとる先生の異動によって、学校の状況が大きく変わるのはたしかなので、そのへんがつけこむ隙にになるだろうか(って、どういう立場で言ってるんだろう)。
 授業を担当したS先生の授業は、漢文を読む際に、SVO、前置詞、助動詞といった中国語としての文法概念をきちんとおさえて読もうとしておられ、これは新しい漢文指導法だ。
 「有」も「無」も「不」も「以」も「雖」も、ぜんぶ「返読文字」とまとめてしまって、「こういう字は必ず下からもどって読むのです、おぼえなさい」というのが従来の漢文指導法だ。
 それに対し、文法用語を利用しながら語学的に構造を把握していくやりかたは、コンサバチブな先生には受け入れがたいものであろう。
 S先生の授業に対するいろんな先生方のお話を聞きながら、骨のずいまでコンサバな方、理解してない方などいろいろで、きっとS先生も苦労もしくは孤立されていることが予想された。わたしも微妙に同じ状況にあるのでよくわかる。
 授業検討会後、吹奏楽部の練習を見させてもらった。Aの県常連校は、今の時期にもうこんなサウンドしているのかとおどろく。
 またあせってきた。いや、あせってもしょうがない。地道に一歩ずつだ。

 

 
  


 


 
コメント (1)
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