水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

ハッピーフライト

2008年12月05日 | 日々のあれこれ
 南古谷にできた新しい映画観で「ハッピーフライト」を観る。
 綾瀬はるかちゃんを観れればいいやぐらいの気持ちだったが、そこは成長を描かせたら天下一品の矢口監督だ。きっちりグッジョブだった。
 綾瀬はるかちゃんを魅せる映画ではなく、田辺誠一扮するパイロットをはじめ、何人かの登場人物がいくつかのエピソードで成長していく様子が描かれる。
 そして、それらの成長に関わるのが、いかにもプロのお目付役的な人たち。
 田辺誠一を指導する時任三郎(これが実にかっこよかった)。
 CAの綾瀬はるかや吹石一恵を指導するチーフパーサーの寺島しのぶ。
 役者さんは知らないけど、整備の若者を指導する先輩。
 どの人も最初は、指導される側にとって、その厳しさにおいて煙たい存在として描かれる。
 若者側にとっては、ただ理不尽に厳しいだけのようにうつる。
 でも事件に直面したときに、助けてもらい、プロのすごさをみせつけられ、自分に欠けていたものを知っていく。
 パイロットでいえば、なぜ普段から帽子をちゃんとかぶっていないといけないかの意味にも気づいたりする。
 商売がら、教えるってこういうことなのかな、などと考えていた。
 小さく笑えたのは、バードさんとよばれる、飛行機に鳥が接触しないように監視するプロと、「愛鳥団体」なるはちまきを巻いた人たちとやりとりだ。
 成長していく各登場人物群に対して、この愛鳥団体の人は、いくつになっても成長できない大人として描かれている(と思う)。
 「~反対」とか「~の権利を私たちの手に」みたいな市民グループに対する視線、もう少し世間を知ろうよ的な矢吹監督の視点をみたと言うのはうがちすぎかな。
 で、観て気分がよくなる映画というのは、成長がモチーフになっているのだなと思った。「psアイラブユー」しかり「おくりびと」しかり。 いっきに飛躍すると、仕事も恋愛も肉親の死も、ぜんぶ人の成長のための手段ではないかと思う。
 教員というのは、成長のきっかけというか、触媒のようなものとして存在すべきだと考えればいいのかもしれない。
コメント
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