水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

パラレルワールド

2010年02月03日 | 演奏会・映画など
 定演3部のしめは「ハウルの動く城」である。
 じぶり作品の曲は、これまでにもいくつか取り組んできたが、難易度は今回が一番高いかもしれない。
 構成、アレンジされたのは後藤洋先生で、「トゥーランドット」とともに先生の代表的作品の一つだと思う。
 曲にするのが、すなわち「音を音楽にする」のが難しそうだけど、音楽になってない今の段階でも十分感動するのだから、この楽曲の力はすごい。
 これはとんでもない仕上がりになる … 、たぶんなるんじゃないか、なればいいなあ。

 イメージをつくろうと思いアマゾンで買ってあった中古DVDを夕べ寝る前に少し観た。
 ポータブルDVDプレーヤーのちっさな画面で観ていてさえ、細部まで造り込まれた絵の存在観は圧倒的だ。
 ファンタジー観るぞモードになってなくても、いっきに世界にひきこまれていく。
 ちなみにファンタジーの定義は、自分のなかでは、パラレルワールドを描いた作品である。
 SFは自然科学をベースにしたパラレルワールドであり、ファンタジーは魔法や伝説といったものをベースにパラレルワールドをつくる。
 おお、こういうことか。
 近代的価値に基づく世界がSFで、前近代的なものをベースにするのがファンタジー。
 すべては人知によって制御できるという思想がSFのベースにあり、人知を越えた何か不思議な力に人間はあらがえないとするのがファンタジーの世界だ。
 しかし、あくまでも現実の世界とパラレルでないといけないわけで、現実ではありえないのだが、ありうるかもしれないという微妙な整合性をいかに構築するかにかかっている。
 あまりに荒唐無稽の世界をつくりすぎると興ざめになる。
 荒唐無稽度があまりになさすぎる場合、つまり「アバター」の世界みたく発想そのものが貧困な場合には、ものたりなく感じるものになる(「アバター」がアカデミー賞の候補になり、「ハウル」はアメリカではあまりお客さんが入らなかったというのは、なるほどと思える)。
 
 主人公ソフィーの声を、倍賞智恵子さんが17歳のも90歳のも演じられているのもさすが(17歳のはちょっと微妙だけどね)。
 ふと思いついたけど、韓国映画「母なる証明」の日本版を倍賞美津子さんでつくったら、いい感じになりそう。
 アントニオ猪木師のWWE殿堂入りが決まったという慶賀すべきニュースも入ってきた。 若い人にはこのつながりはわかんないですね。  



コメント (1)
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