日曜版で、毎日の「銀婚式」と同じくらい楽しみにしてるのは、朝日の「仕事力」というエッセイだ。
そうそうたる方々が4週ずつ担当するが、いまは西原理恵子氏が「男も女も一生稼ごう」というタイトルで書かれている(バックナンバーも含めて朝日新聞のサイトで読めます)。
前々回の一節。
~ お金がないことのつらさや惨めさは、いくら口で説明しても実感できないことではありますが、若くして仕事に情熱が持てないと言ったり、リストラの危機にある人々が愚痴ったり、社会に文句を言うばかりの様子を見ていると、「自分で稼いで生きていく」ことをなめているとしか思えません。
「自分のやりたい仕事にめぐり合わない」とか、「自分の本当の力を分かってもらえない」なんて本気で思っているのなら、私は笑いますよ。その前に、たとえ1円でも自分の仕事に対して払ってもらえることは何かと考えるべきですよね。それは天から降ってくるわけではなく、「私の力でいただける仕事ならやらせてください」というものでしょ。 ~
貧しい子供時代を過ごした西原氏は、わずかなお金のことで人間が優しさや思いやりや希望を失っていく様を身にしみて知っているという。
だから今は貧乏にもどりたくない一心でとにかく働いているのだと。
そして、今日の一節。
~ 仕事ってリアルな目的を持ったものです。自分を食べさせ、家族を養い、貧しさからくる苦しみや怒りに縛られないで自由に生きていくためのもの。でも、その中にきちんと「できるようになっていく」楽しさや喜びが詰まっている。働くこと、働き続けることが、まるで自家発電みたいに明るく人生を照らすし、頑張るためのエンジンになる。だから、自分で稼げる仕事をまず始めることが大事なんです。
「自分探し」という、人を惑わせる言葉がありますね。そして「やりがい」を見つけようと諭す。それって冗談じゃないと私は思います。みんなのために、地域のために、社会のためにというあやふやなモチベーションが、人間を本気で仕事に向かわせられると思いますか。大人やマスコミは、若い人をきれいな言葉でだましちゃいけないですよ。 ~
これは、いつか学年だよりネタにしたいと思った。
日本の若者が「やりたいこと探し」「自分探し」思想をもつのは、たとえば中国の若者が教育によって反日感情をもたされていくのと、構造は同じだと思う。
今日の一節で、
~ 家庭を持ち、子どもを育てて働こうとする人を周囲は平等に助けるべきだと思います。働く女性は何もかも背負わされ、ものすごく忙しい。それなのにスーパーのお総菜を買うと、「食育上よろしくない」などと責めるでしょ。ふざけてはいけませんよ、そんなことで追い込まないであげてください。子供が熱を出したら、父親が会社を休める世の中に早くなることを願っています。 ~
というところも、そうなんだよねと思う。キャラ的に「ふざけてはいけませんよ」なんて言う西原氏には違和感があるので、「ふざけんじゃねーよ!」とふつうに書いてくれればいい。
それにスーパーのお総菜は、レベルの高いお店のそれは、かなりハイレベルだ。
ヤオコーで半額になったばかりの時間帯に行ったなら、自分でつくる必要がどこにある? と思われるくらいだし。