現代文で夏目漱石「こころ」に入る。これを読みながら、マーク式の小説問題の解き方も一気に教えてしまおうと思って、ある部分の選択肢を作ってた。
~ 彼の口元をちょっと眺めたとき、私はまた何か出てくるなとすぐ感づいたのですが、それがはたしてなんの準備なのか、私の予覚はまるでなかったのです。だから驚いたのです。彼の重々しい口から、彼のお嬢さんに対する切ない恋を打ち明けられたときの私を想像してみてください。私は彼の魔法棒のために一度に化石されたようなものです。口をもぐもぐさせるはたらきさえ、私にはなくなってしまったのです。~
問 傍線部「私は彼の魔法棒のために化石されたようなものです」とはどういうことを表しているのか。最も適当なものを選べ。
ア お嬢さんに対して恋心を抱いているという、全く予想もしていなかったKの告白を聞き、身動きでき ないほどの衝撃を受けたということ。
イ お嬢さんに対する私の気持ちを知っていながら、平然と自分の思いを告げてくるKの強さに身が固ま るような恐怖を感じたということ。
ウ お嬢さんに対する恋心を打ち明けるKの口調は、いつもとは全く異なった重々しいものであり、思わ ず身構えてしまったということ。
エ 強い意思に支えられたKの告白によって、自分の恋の行方は完全に閉ざされてしまったという思いを 抱かざるを得なかったということ。
オ Kがお嬢さんに対して恋心を抱いていることを予想はしていたが、あまりにも突然の告白に驚き、魔 法にかかったように身動きできなくなったということ。
それぞれの選択肢のどこが悪いのかをそれぞれ指摘してみようと進めるつもりだったけど、正解選択肢は自分で書いてもらおう、いやいっそ誤答の選択肢も一つくらい作ってもらおうと、思いついた。
ア(正解)とイは生徒さんには示さずに、自分で選択肢作ってみなさいと指示する。
正解、誤答それぞれ二人ずつ黒板に書いてもらったところ、正解担当の二人の書いたものの、ほどよく誤答になっていて、なかなかこの方法は使えるかもしれないと感じる。
また次の時間も一つくらいやってみようと思う。
出題者の気持ちもわかってくるかもしれない。