サックスのレッスン中に、先生が吹いている音を廊下で聞いたり、アンサンブルチームのレッスンを見せていただいたりすると、サックスとはなんとずるい楽器だろう、こんなにあま~い音を耳元で聞かされたら、どんなご婦人も簡単におちてしまうのではないかといつも思う。
滝上先生は、音色はもとより、教え方も素晴らしく、大学院在籍中に教則本を発行してしまったという経歴ももつ。
その先生から、ふだんの雰囲気とは少しちがう力強さで、「こんどアンサンブルを立ち上げたので来てください」と連絡をいただき、昨日の夕方、ルーテル市ヶ谷まで出かけた。
アンサンブルユニットにしては珍しいほど年齢差のある男女2人ずつの4重奏は、サックスのもつ音楽性や機能性がふんだんに発揮され、若いメンバーがときに老練に、ベテランの滝上先生が時に若々しく、場面場面で自分の役割をきちっと果たしている、ザ・アンサンブルだった。サックスアンサンブルはずるい。
お客さんの入りはどうかなという思いは杞憂だったけど、そういう心配を持ってかけつけた関係者の方は他にもいたんじゃないだろうか。パイプいすも出る大盛況ぶりで、それは演奏のあつさにも現れた気がする。
サックスパートの面々もいい経験をしたことだろう。こんな先生に習ってるんだ、もっとがんばろうと思ってもらえたにちがいない。部員たちがライブを経験する機会をもう少しもてたらいいな。