学年だより「くすぶり力」
人の魅力とはどうやってつくられるのだろう。
かっこいいと言われたい、ナイスガイとして扱われたい、自然と人が集まってくるような魅力的な男になりたい … 、そんな思いを全く抱かない人はいないと思うが、どうだろう。
じゃ、どうすればいいのか。
すくなくとも、今のみなさんは、かっこよくてチヤホヤされる人生を送ってはいない。
全国大会で優勝してインタビューされてもいないし、モデルとなって雑誌のページを占めていたりもしない。町を歩くと「キャー!」と言われるようなことはない(もしいたら、謝ります)。
でも、現状の自分に百%満足していて何の望みもないという人もいないはずだ(もしいたら、ごめんなさい)。
いつかは、いい男になりたい、世間的にも成功したい、彼女がほしいと思いながら、それがなかなか叶わずに悶々としている今のみんなは、まさに「くすぶり」の時期にいる。
自分の感覚では、選ばれしごく少数の人間をのぞいて、男子にとっての高校時代は「くすぶり期」だと思う。
そして、その時期をどうすごすかによって、くすぶったまま終わるのか、火種さえなくなってしまうか、もしくは大きな炎をあげることができるかに、分かれていくのだろう。
~ 特に若いころに抱くくすぶり感は、生涯にわたる推進力になります。言ってみれば、それは「精神の石油エネルギー」です。
ある時期、鬱屈した思いが黒くてドロドロの原油のように自分の中に貯まります。それ自体、その時点では使いものになりません。
でもそれが仕事に就いたときに掘り起こされて、精製して使えるような状況になると、火を点(つ)けた途端、一気に燃え上がるのです。時間をかけて貯めたエネルギーは、そう簡単には枯渇しません。 (齋藤孝『くすぶる力』幻冬舎)
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ドロドロのエネルギーをためていくには、大量のイップットしかない、と斉藤先生は言う。
趣味の世界でも、勉学の世界でも、それが何のためになるか全くわからないことに徹底的にはまること。たとえば歴史オタクになったり、たとえば映画をひたすら観たり。
ひとつの世界にはまりこむことで、人としての深みが生まれるのだ。
~ 度を超えた大量インプットは、経験の質を変えるのです。
これは映画好きかどうかという問題ではなくて、自分に対する資本の投下です。いや、お金はかかっていないので、時間の投下です。SNSなどでなんとなく過ごしている時間をここに投下すれば、どれだけの財産を手に入れることができるか。
くすぶり時代に大量インプットの習慣と技を身につけると、それがワザ化して、対象を変えてもドーンとインプットすることができるようになります。 ~