学年だより「くすぶり力(2)」
~ 度を超えた大量インプットは、経験の質を変えるのです。
… くすぶり時代に大量インプットの習慣と技を身につけると、それがワザ化して、対象を変えてもドーンとインプットすることができるようになります。 (齋藤孝『くすぶる力』幻冬舎) ~
たとえば日本映画の名作を百本見ると、邦画通になるだけではなく、人間を理解する力や時代を読む眼が養われると、齋藤氏は言う。
一本の映画にこめられた莫大なエネルギーを感じられるようになるからだ。
それを浴びるように見ることによって、自分の人生に深みをつくっていく。
もちろん、映画でなくていい。
サッカーに打ち込んでいれば、ある試合を観たときに、ある選手の一つのプレーにどれだけの過去が蓄積されているかを想像することができるようになるだろう。
別の競技をやっている選手に対しても、そのプレーがどれほどのエネルギーの投下の上に成り立っているか、感じるようになるだろう。
スポーツ選手に対する松岡修三選手のインタビューが、「どんな気持ちですか?」としか問えない若い女子アナさんと根本的に違いがあるのは、その部分だろう。
どんな分野でも、ステージをあげていくためには、圧倒的な量のインプットが必要だ。
そしてその結果として、ものを見る目が変わり、人間を理解する力が変わる。
自分はなぜ成功してないんだ! 有名じゃないんだ! 結果が出ていないんだ! との思いをもちながら、大量にインプットし続けること、それが自分の石油エネルギーとなっていく。
それこそが自分の魅力形成の原動力になる。
~ のっぺりして掘っても何も出てこない人からはフェロモンが出ていません。
くすぶり時代こそ、何かにはまり込む時間です。
~
簡単に成功してしまうよりも、むしろ「くすぶり時代」は必要だと言う。
~ 自分の中に何のくすぶりもないという若い人には、「もっと志を高く持って、くすぶってみろ」と言いたい。志が大きければ、どうしたって「くすぶる」のではないか。すべてが初めからうまくいく人はほとんどいない。才能などがあってもくすぶり期間が長くなることはある。
事の成否は、くすぶり期間に、どれだけエネルギーを蓄積し、技を磨くかだ。 (齋藤孝『くすぶる力』幻冬舎) ~
てっとりばやいのは、勉強オタク、部活オタクになって、徹底的にやってみることだろう。