水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

がんばらない

2016年07月12日 | 学年だよりなど

 

  学年だより「がんばらない」


 成績をあげるために「がんばる」ようでは、たいした成果は期待できない――という趣旨の話を試験の直前にしたつもりだ。
 がんばったり、努力したりする必要はない。
「よおし、がんばって勉強するか!」と頭にはちまきを巻かないと机に向かえない人は、たぶん勉強にむいてないのだ。
 大人の場合なら、勉強を仕事に置き換えると、ほぼ同じことが言える。
 ただし、大人になると、仕事に向いてない人も、生きていくために働かねばならない。
 「ねばならない」気持ちだけで働き続けるのは、気持ち的にはつらい。
 だとしたら、がんばらなくても働ける身体になっておいた方が、いい毎日を過ごせる。
 そのための下準備をするために、いま課せられている勉強は格好の題材だ。
 結果を出すためにがんばらない方がいいのは、脳科学的にも筋が通っているようだ。


 ~ 「さあ、ジョギングするぞ」と特別なことをやろうと身構えしまうと、その時点で脳に抑制がかかり、なかなか続きません。それよりも、あくまで自然体で何も考えずに、「散歩でもしに行こうか」くらいの感覚で続けることが望ましいのです。
 脳の前頭葉には「努力するために使う回路」とも呼ぶべき部位があります。その回路が活性化されている状態が、一般的に「頑張っている」と呼ばれる状態です。
 この「努力する回路」は意外なことに、何かを習慣化したり継続したりすることには向いていません。なぜならその回路はことのほか脳のエネルギーを消耗させるため、頑張り続けると疲れてしまうからです。
 つまり、毎日「頑張るんだ」と意識し続けている人は、実は相当な脳への負荷がかかっているのです。
 人間誰もが、火事場の馬鹿力で特別に頑張らなければいけないときがあります。それでいざことが済むと、どっと疲れが押し寄せてきます。
 なぜなら、脳に大きな負担がかかってしまって疲れるわけです。毎日こんなことをしているようでは、当然、習慣として続けることはできません。
 そう考えると、目の前の努力を「頑張る行為」と意識せず、何も意識せずに行えるよう「習慣化」することが成功への近道ということになります。
 最初は努力、つまり強度のある負荷がかかっても、いつかそれを「当たり前の行為」へと変身させる。それが大事なポイントです。
 自転車に乗るとき、こぎ出しが一番きついけれど、スピードに乗ってくればあとは楽になる。これと同じ境地を目指せばいいのです。 (茂木健一郎『結果を出せる人になる!「すぐやる脳」のつくり方』学研プラス) ~


 がんばるのではなく工夫しよう。
 工夫して、がんばらなくても自然にやれる状態になったとき、それを習慣という。

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