いつも通り集合してブレス練習、ストレッチ、個人練をして楽器を積み込み、県営大宮球場に向かう。
日曜で、応援の多そうな学校の試合であるせいか、球場周辺は例年以上の大渋滞だ。
それを見越して学校を出たはずだったが、堀之内の交差点をまがり列がぴたっと動かなくなってからは、試合開始に遅れることも覚悟した。
例年のことながら、想定されるはずの事態を前にして、毎年同じ事をくり返すことしかできない運営の方々の力量を痛感せざるを得ない状況だった。車の誘導にかぎらないが、全体像を見ながらしきる方がおそらくいらっしゃらないのであろう。こればかりは、同じ教員として何も言うことはできない。
まだ吹奏楽関係の大会の方が、いろいろと改善されながら運営されている。それでもトラブルは必ずあるけどね。今年はどんな仕事に配置されるのだろう … 。
試合開始が予定より30分遅れたので、安心して準備しながら、試合前のノックや、向かい側の応援の様子などを見ていた。試合がはじまる。ダルビッシュ二世と称される一年生ピッチャーは、なるほどスラッとして、キレのある球を投げる(なあんて、わかったふうなことを書いたりして)。
でも振り遅れることもなく、ヒットをうち、先制点も奪った。本校の先発星野くんは、初戦より少しのびはないかとも感じたが、ここという時に三振をとれるさすがのピッチングをする。今日も大丈夫かなと正直思った。
残念ながら、少しずつ歯車がかみあわなかっただろうか。ぎゃくに栄さんは、いろんなものが少しずつよくかみ合っただろうか。投手交代や気持ちの持ちようなども。
残念だ。けっこう先をみすえて買ってあった日焼け止めがあまってしまう。
ただ、われらはむしろここから夏のスタートのようなものだ。
楽器を片付けて駐車場までてくてく歩き、学校にもどり、少し身体を休めて、夕方からはバンドレッスンを受けた。
自由曲もだいぶ吹けるようになってきたかなと思っていたのだが、つかまりはじめるとコテンパンだった。
そんないい加減にやってんじゃねえ、そんな程度でできた気になるなとのお言葉は、自分の身につきささる。
今までなら、野球応援のあとにバンドの指導を受けるスケジュールは組まないし、入れてもあんまり効果ない可能性もあるが、たまたまこうなった日程とはいえ、そしてつらいならやめるぞとの叱責も受けはしたものの、結果的には中身の濃い指導を受けることはできた。
この後やるべきことも見えた。
あらためて思ったのは、曲ばかり練習してたのではダメという、当たり前の事実だ。
ここは、部員たちとしっかり共有していかないといけない。目の前の譜面だけさらっていても上手くならない。
とにかく人としての裾野を広げなければ。
レッスン後、バスで駅まで送りながら、そんなことを考え、学校にもどったあと、急遽思いついた漢文の講習用のプリントを一枚つくった自分のエラさよ。まさに文武両道。つらいけど少し楽しい。