3学年だより「1年目」
何らかのことを身につけようとした時には、たとえばスポーツでもいいし、楽器やダンス、語学など、どんなものであっても、5年、10年という単位での時間の積み重ねが必要となる。
何が自分に合ってるのかは、やってみないとわからないので、たとえば半年やってみて違うなと思ったら、すぱっと他のことに切り替えてもいいし、逆に、才能を感じられなくても好きでずっとやっていられることなら、続けた方がいい。
それが何にせよ、「少したしなみました」と言えるレベルになるには、最低10年はかかる。
高校に入って始めたスポーツなら、大学で4年間続け、就職してからも時間をつくってやり続けるレベルになると、自分の人生の大切なものに変わるだろう。
現役のプレーヤーとしてはだんだんと体が動かなくなってくるのはしょうがないが、そこまでやり続けたことで得られた様々なものは、仕事そのものにも役に立つ。何より自分の支えになる。
社会人になっても続けられることに、学生時代に出会えたなら幸せだ。
かりに大学に入ってから出会ったことを、本気でやってみたくなって10年経ったとき、みなさんはその時点でまだ20代だ。これを人生の可能性といわずして、なんと言おう。
今やっている勉強は、数ヶ月後の受験とともに終わるものでは全くない。
~ たとえば「10年後に英語でインタビューに答えたい」という明確な目標があるのなら、今からその勉強をスタートしているべきである。
決してラスト1年間にかけるのではなく、今からその準備をすべきである。
すでに英語でインタビューに答えられる人に必ず直接聞いて、自分の語学力や記憶力と相談しながらカリキュラムを組むのだ。
場合によっては英会話教室や家庭教師を雇うかもしれない。
あるいはネットの指導があなたには合うかもしれない。
いずれにせよ、「将来こうなりたい!」から逆算して中長期的にコツコツ勉強することで、あなたの人生は格段に充実したものになるのだ。
英語でインタビューに答えるという目標に限らず、世の中で一目置かれるような能力を習得するためには一般に5年から10年といった期間の勉強が必要になる。
医師国家試験に合格するためだとか、大学院の博士号を取得するためだとか、いずれも本気で意識してから10年間は勉強しなければならないだろう。
何かの分野で「おっ」と思われるには人生でその程度の努力は必須というわけだ。
なぜ一目置かれるかと言えば、それを獲得するのに時間がかかるからである。 ~
これからの10年の1年目として今年をすごしたとしよう。10年後、全くちがったステージを見据えることができる日が、目の前に出現する。
そのとき、受験勉強なんて「かわいい」ものだったよね、と思えるだろう。