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水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

1%伸びていく

2021年12月23日 | 学年だよりなど
1学年だより「1%伸びていく」


 毎日、前日の自分より1%分だけ成長すると、どれくらい変われるか。
 入学時に「100」の力だった人が、1%分だけがんばって、翌日「101」の人になったとする。
 さらに次の日も1%だけがんばる。すると102%になっている。同じように毎日1%だけ成長したとする。翌日も、さらに翌日も……。前日の自分に1.01をかけていく計算だ。
 ためしに電卓を打ってみればわかるが、最初のうちはちまちま増えていく数字が、途中から驚くほど跳ね上がっていく。
 一週間後にはだいたい107%、30日後には135%。「1%の努力」を2ヶ月続けると182%になり、三ヶ月後は245%増だ。この時点で、中身は別人と言っていいだろう。
 1%ずつ伸び続けた場合、一年後の自分は3780%だ。化け物レベルだが、ほんとにそれくらい伸びたなと思えるような先輩たちにも多く出会ってきた。
 入学時の学力から考えて想像もできなかった大学に合格した先輩たちや、高校から始めた競技で全国大会に出場したような先輩達だ。
 特別なことはしていない。前日解けなかった問題を一問だけ解けるようにする、前日10本ダッシュしたのを11本に増やす、といった努力を少しずつ積み上げてきた結果だ。
 適度に(中には過度に)体を動かしていたことも、そういう先輩たちが伸びた原因ではないだろうか。脳科学の進展で、肉体的な活動が脳を活性化させる事実は、どんどん解明されている。


~ あるメタ分析では、たった一度の20分間の運動によっても、情報処理、注意力そして実行力の急速な改善につながることが確認されている。この研究で、もし頭を使う認知の作業が運動の直後におこなわれるのなら、軽い運動だけで十分にワークアウトの効果が得られることが明らかになった。もし直後でない場合に、より負荷の高い運動でも効果がある。
 アメリカで推奨されている運動のガイドラインでは、毎週五日間、毎日少なくとも30分間の適度な負荷をかけた運動、つまり少なくとも合計で150分の運動をこなすことになっている(どんな運動でも、普段の心臓の脈拍より適度に速くなればよい)。
 これに加えて、すべてのおもな筋肉を対象とした筋肉強化の運動を少なくとも二日は実行すべきだ。両方の運動のタイプはともに、BDNF(脳由来神経栄養因子)のレベルを上げてくれる。そして学習の助けとなるほかの心理面の変化を無数につくり出してくれる。
    (バーバラ・オークレー/オラフ・シーヴェ『学び方の学び方』アチーブメント出版) ~


 脈拍数が平常時よりほどよく速くなる程度の運動でも、脳の神経細胞が活性化していく。
 軽い筋トレにも同じ効果がある。運動部でなくても、勉強の合間に腕立て伏せをする、ジョギングしてみる、というぐらいはしてみよう。
 大事なのは、突然マラソンを始めることではなく、「1%」分だけ前に進むことだ。
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