台風7号が関東に接近中の16日の朝。
未明に強い雨が降った形跡があるが、外は曇り空で風も大したことない。
公共交通機関や海沿いの施設は”万全の対応”を敷いているようだが、午前中の今は普通に外出できそう。
ただし今日は午後に歯科の予約が入っているので、国会図書館に行くのは時間的に中途半端。
そこでチケットを買っていた東博(東京国立博物館)で開催中の特別展「神護寺―空海と真言密教のはじまり」(9/8まで)を見に行くことにした。
京都の神護寺は、平安彫刻の代表作品である薬師如来立像が有名で、私もかつて高山寺とともに訪れたことがあるが、国宝の高雄曼荼羅などは寺よりも博物館でこそじっくり見れる。
台風接近中なので、東博もいつ閉館になるかわからないため、まずはネットで本日の開館を確認(ただしいつ閉めるかわからないと書いてある)。
風雨のない今のうちに行った方がいい。
こういう天候なので、閑古鳥が鳴いていると思ったら、東博全体は予想以上に人出があり、特に外国人観光客が目につく。
急遽、屋内で時間を過ごせる場所としてここが選ばれたのだろう(もちろん日本文化を知るには最適な選択)。
展示の花の1つである「伝源頼朝の肖像画」は、会期の前半で寺に戻ってしまったが、江戸時代の絵師による精巧な模作があって、それを見ても鎌倉時代の原画がいかにハイレベルな絵画であるかがわかる。
あとここの空海の肖像画も有名で、さらにこの寺が空海と最澄(平安仏教の二大巨頭)の交流の場であった証拠となる両者直筆の文書(もんじょ)も歴史的意義がある(空海の書は鑑賞的価値もある)。
高雄曼荼羅とそれに付随する展示は、両界曼荼羅の構造が頭に入っていないと充分な鑑賞ができないことを痛感(館内に簡単な説明の動画があるが)。
せめて各仏がはっきり描かれる胎蔵界だけでもその構造の(描かれている仏の同定ができる)資料を持参すべきだった。
第二会場では、あの薬師如来を中心とする仏像群(日光・月光、十二神将、四天王)が展開。
二天門の二天(増長天・持国天)が唯一撮影OKだった(写真:左が増長天)。
ちなみに東洋館の地下で『空海—祈りの形』というVR映像が鑑賞できるのだが、開演時刻にギリギリ間に合わなかった。
観終わったのが正午だったので、のんびり帰宅して、歯医者に備えた。
その後、この記事を書くために東博のサイトにアクセスしたら、なんと「台風の影響により臨時休館」したとの表示。
ラッキーだった。