書評、その他
Future Watch 書評、その他
ティム・サ-モン ユニフォーム MLB
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5a/37/fd679afe6a3e8f6578dbe9f0a558d6a7.jpg)
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
イスラエル 臼杵陽
「ユダヤ警官同盟」を読み、そのあたりの知識のなさを思い知らされたので、少し知識を入れておこうと思って本書を読んでみた。イスラエル建国までの歴史、建国後の動静が詳細に記述されていて実に複雑である。全くといってよいほど知らないことばかりで、通読してどれだけ知識として残ったかは大変心もとない。前提となる基礎知識不足で理解できない箇所も多かったが、この問題の複雑さだけは了解できたし、イスラエルという国が建国当初から内包してきた矛盾といったものも良く判った。イスラエルという国が、「宗教国家ではなく民主国家である」という理念と、「ユダヤ人にとって安全な場所でなければばらない」という必要性の狭間で、いかに苦労しているかが良く判った。改めて、どちらが善でどちらが悪かなどという二元論で語れるほど単純ではないということが判る。この本を読むと、「ユダヤ警官同盟」で空想された「アラスカのユダヤ人居住地」「エルサレムの岩のドーム破壊」といった筋書きが、荒唐無稽な絵空事ではないように思えてくる。少し歴史の歯車が違う回転をしていたら、十分にあり得る話だったことが判る。「ユダヤ警官同盟」とはそうした微妙な歴史の綾を知っていればこその作品なのだろう。(「イスラエル」臼杵陽、岩波新書)
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )