往年の名テニス・プレーヤー、アンドレ・アガシのサインである。テニス選手のサインカードはあまり人気がないのか、通常の流通ルートで販売されているのは1社のものしかみたことがない。1社しかないというのは功罪の両方がある。功罪の功の方では比較的「集めやすい」という点が指摘できる。シリーズの数は限られているし、どのようなものがどのくらいあるのかの把握も容易だ。ただし1社だけということは、デザインやシリーズのコンセプトなどに関して、集める側として文句を言えないという悩みがある。ある選手のコレクティブルが欲しいと思ったときに選択肢が少ないのは、迷いがないという意味では気が楽ではあるのだが、どうも自分で構築したコレクションという気がしない。コレクションに「自分だけの」というオリジナリティを発揮できない。要するにテニスのコレクティブルを集めている人のコレクションは、誰のものもあまり内容に違いがないだろういうことだ。また、その製造している1社があまりメジャーな製造業者でないというのもつらい。メジャーな製造業者でないために、テニス選手に関してはルーキー・カードという概念が確立されていないように思われるからだ。これが集めるコレクティブルの幅を狭めている面もあるように思われる。そうしたなかで、私としては、往年の名選手、最近の若手注目選手をこつこつと集めている。これはそうしたなかの1枚である。