goo

アインシュタイン丸かじり 志村史夫

昔ブルーバックスで現代物理学やアインシュタインに関する入門書を何冊も読んだ記憶があり、久しぶりにこうした本を読んでみようという気になった。本書では、アインシュタイン以前の物理学の状況を記述した科学史、アインシュタインが重要な発見を相次いで行った「奇跡の年」の科学ドキュメント、アインシュタインの業績に関する解説、アインシュタインの語録集など、盛りだくさんの内容がコンパクトにまとめられている。やや欲張った感じがするが、いずれもしっかり判るように記述されているので、特に不足感はない。アインシュタイン以前の物理の現状の部分は、その後のアインシュタインの業績がよく判るようになっていて、ためになった。アインシュタインの業績の解説部分は、既に刊行されている類似の本と大きな違いはないが、こちらも本書全体を通してそれがよりはっきり判るように工夫されているので有り難い。昔こうした話をかじったことがある人が読んで記憶を呼び戻すのに適しており、まさにそれが本書の意図したところだと思われる。(「アインシュタイン丸かじり」志村史夫、新潮新書)
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )