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最後の証人 柚月裕子
「…の証人」という本は、似たような題名の本がいろいろ出ていて紛らわしい。アガサ・クリスティの有名な「検察側の証人」もあれば、最近話題になった「弁護側の証人」というのもあるし、昔、日本の女流作家の作品にも似たような名前の本があったように記憶している。本書を買うときも、「読んだ本ではないかなぁ」と少し心配になり、奥付で2010年5月となっているのを確認してから買った。紛らわしさの一因は、「…の証人」という本が4冊とも女性作家によるものだということだ。少し前に読んだ「弁護側の証人」も、作者名を忘れてしまっていて、中途半端に女性作家だったということだけ覚えていたので、混乱してしまったのだ。
そういうことで、もっと題名にインパクトが欲しいと注文をつけたいところだが、読み終わってみると、この題名が作者の思いの大部分が込められたものであり、まさに本書に相応しい題名だということが納得できる。著者は、なんと言われようと、最後の証人の最後の一言が書きたかったのだろうという想いが伝わってくる。本書を読み進めると、最初から8割くらいはいろいろ似たようなミステリーがあるのでそんなものかという感じで、最後のところのどんでん返しも予想の範囲なのだが、不思議なのは、その後大きなどんでん返しもないのに何故か「そういうことか」と感心させられてしまうことだ。そのキーになるのが最後の証人の最後の一言という訳で、そこに読者は面白さを感じるのだ。(「最後の証人」柚月裕子、宝島社)
そういうことで、もっと題名にインパクトが欲しいと注文をつけたいところだが、読み終わってみると、この題名が作者の思いの大部分が込められたものであり、まさに本書に相応しい題名だということが納得できる。著者は、なんと言われようと、最後の証人の最後の一言が書きたかったのだろうという想いが伝わってくる。本書を読み進めると、最初から8割くらいはいろいろ似たようなミステリーがあるのでそんなものかという感じで、最後のところのどんでん返しも予想の範囲なのだが、不思議なのは、その後大きなどんでん返しもないのに何故か「そういうことか」と感心させられてしまうことだ。そのキーになるのが最後の証人の最後の一言という訳で、そこに読者は面白さを感じるのだ。(「最後の証人」柚月裕子、宝島社)
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