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ペンギン・ハイウェイ 森見登美彦

作者の「新境地」を拓く作品との触れ込みだが、読んでいてワクワクさせられ、愉快にさせられる「森見ワールド」は本書でも全開フルパワーだ。主人公の少年の言動には思わず頬が緩むが、これまでの作者の作品に登場した「子供っぽい大人」と本書の「大人っぽい子供」というのは結局同じなのだということで、男子というものは、子供から大人になっても結局は何も変わらないし、成長もしないのだ、ということがよく判る。ぞろぞろ出てくるペンギンに演技をさせるのは難しいので、映画化はかなり難しいだろうが、何となく「映像で見てみたい」、そういう想像力を掻き立てられる作品だ。(「ペンギン・ハイウェイ」森見登美彦、角川書店)
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