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できるかな クアトロ 西原理恵子
なぜこの本を入手して読んだのか良く判らない。読んでから判ったのだが、本書はシリーズものの第4作目だ。シリーズものの途中から読むのは、普通、余程の事情がある場合に限るのだが、「クアトロ」というのを何かの名前だと思い、「その4」という意味だと気づかなかったのが原因だ。と、そんなことはどうでもいいのだが、本書には、いくつも驚かされることがある。まず最初の「できるかな」の3編。マンガに描く題材を取材するのにこんなことまでしてしまうのか、という話が続く。それだけのことをしておいて、漫画を1つ描くだけというのは、絶対に割に合わないだろうと思うのだが、それをやるところに著者らしい覚悟の強さを感じる。その次の「人生一年生」の2編。これらの作品が「小学6年生」に掲載された作品だということには驚かされる。さらに、巻末の解説を高野秀行が書いていること。「できるかな」を含む作品の強烈さを解説できる人というのは、彼のようにごく限られた人なのではないか。そういうことで本書はトータルするとものすごい本だと思う。(「できるかな クアトロ」 西原理恵子、角川文庫)
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