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降霊会の夜 浅田次郎

戦争の傷跡深い時期の子ども時代、高度成長の青年時代、この2つを振り返り、それぞれの時代のなかで、自分たちが無意識に切り捨ててきた人達、忘れようとしてきた人達と、もう一度対峙する機会があったら我々はどうするか。そうした思いは、団塊の世代といわれる人たちの共通の思いなのではないか。本書は、そうした悔恨の情ともいうべき思いや、団塊の世代が自分たちの人生を総括したいという思いが生み出した書であるように思われる。こうした世代の思いを代弁してくれる人がいるというのは団塊の世代にとって大変幸運なことだろうと思う。(「降霊会の夜」 浅田次郎、朝日新聞出版)

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