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わたしをみつけて 中脇初枝

著者の作品は本書が2冊目だが、いずれも親を選べない子ども、厳しい立場にいる子どもに暖かく接する人の存在というものが細やかに描かれていて胸を打つ作品だ。本書の語り手である主人公の心情の吐露は、読んでいて本人にしか判らないような内面に気づかされるようで何ともやるせないが、それでもそれを乗り越える強さを感じてホッとするし、全体として変に凝ったストーリーにしたりせず、ストレートにそうした子ども達を描く姿勢に大変共感をもつ。素晴らしい作品だと思う。(「わたしをみつけて」 中脇初枝、ポプラ社)

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