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女が動かす北朝鮮 五味洋治

アメリカの政治が動き、韓国の政治が揺れ、世界の進む方向が色々気になる。自分自身はもう良いとして、子どもや孫の世代にどういう世界を残したいのか、色々考えてしまう今日この頃である。そうしたなかで、最も自分の無知な部分の1つである「北朝鮮」については、謎が多いだけに、本書のように分かりやすそうな本があるとなんとなく読みたくなる。本書は、北朝鮮・金ファミリーの権力構造の歴史を、ファミリーの女性に焦点を当てて解説したものだが、読んでいてその凄まじさには改めて驚かされる。帯に「韓国ドラマよりも面白い」とあるのはいくらなんでも不謹慎だが、本書に登場する女性たちの亡命・病死・自殺・処刑といった様々な末路は、本当にドラマ以上に壮絶だ。また、現指導者に有力な後継候補の妹がいることや、近年北朝鮮からの女性の亡命者が急増していることなどは本書で初めて知った。次の指導者が女性になったら北朝鮮はどうなるのだろう。確かに北朝鮮の未来は女性が鍵を握っているのかもしれない。(「女が動かす北朝鮮」 五味洋治、文春新書)

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