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死と砂時計 鳥飼否宇

著者の本を読むのは多分2冊目だが、前に読んだ本とは随分違う印象の作品だ。各国の死刑囚が集められた某国の刑務所で起きる事件を扱ったミステリーという荒唐無稽な設定で、事件そのものも死刑囚が処刑の前日に殺されてしまったりとかなり荒唐無稽なのだが、不思議と馬鹿馬鹿しさが感じられず、一つ一つの短編を楽しく読むことができた。最後の短編は主人公の過去と現在に纏わるミステリーだが、そこまで計算され尽くされた話だったかと驚く一方、そこまで読者サービスしてくれなくても十分面白いのにと思わず著者に言いたくなる程、サービス満点の作品だった。(「死と砂時計」 鳥飼否宇、創元推理文庫)

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