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STAP細胞事件の真実 佐藤貴彦

昨年、STAP細胞事件関連の本を3冊立て続けに読んだが、それぞれの著者の立場や見解がかなりかけ離れていて、何が真相なのか、どれに軍配を上げて良いのか正直よく判らなかった。そんななかで少しでも客観的な事実やその後の事件の展開、他の人の見解などを知りたくて本書を読んでみた。本書を読んで、この事件は恐らく「悪意」「ミス」「嫉妬(野望)」という3つの要素が絡み合った事件だということが分かったような気がする。「ミス」は小保方さん個人と理研という組織、「嫉妬(野望)」は多くの関係者に帰属するものなのだろうが、肝心の「悪意」はいったい誰に帰属するものなのだろうか?本書ではそれを暗に若山氏と何人かの研究者だと断罪する。これで私が読んだ本としては、1勝2敗で若山氏の負けだ。本書でも彼からの反論を期待すると書かれているが、本当にその通りだと思う。本書で特に興味深かったのは、小保方さんを「事務」に無頓着な優秀な学者と分析していること、最後に提示されている「ハーバード大学」の気になる動きの2点。何故小保方さんが草稿の卒業論文を誤って提出してしまったのか素人には不思議だったが、著者の分析を読んでかなり納得がいった気がする。この事件は、最終的には「STAP細胞があるのかないのか」が決着した時にある程度明らかになるのかもしれないと感じた。(「STAP細胞事件の真実」 佐藤貴彦、パレード)

 

(海外出張のため1週間ほど更新をお休みします。)

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