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二度寝とは遠くにありて想うもの 津村記久子

著者のエッセイ集の2冊目。短い文章のなかにハッとするような内容のエッセイばかりで、次から次に読めてしまうのが何だかもったいないような気がするほどだ。特に本書で感心したのは、「現代のことばについて」という章。形容詞にはプラスやマイナスの意味を含んだものがある一方、ニュートラルなものもある。そして、その中間にあるのが「味わい深い」というような軽いプラスを含んだ形容詞だという。「味わい深い」という言葉をここまで深く考察した著者の感性もすごいが、作家というのはここまで言葉を大切にしているのかということが判って驚かされた。やはり作家というのは身を削りながら文章を書いているんだなぁと改めて思った。(「二度寝とは遠くにありて想うもの」 津村記久子、講談社)

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