goo

瑕疵借り 松岡圭介

「瑕疵借り」という言葉や職業があることさえ知らなかったが、世の中にはそういう需要もあるんだなぁと感心してしまった。またそれ以上に、そういう言葉から、これだけ多彩なストーリーを紡ぎ出す著者のストーリーテラーとしての凄さにも感心してしまった。著者の作品は一見すると、題名や登場人物のキャラクターからエンターテイメント色の強いものに見えるが、実はその時々の時事問題を扱うという形で、社会派的な要素もかなり盛り込まれている。出版社が講談社になってから、その社会的要素を前面に押し出した作品が多くなっているような気がする。この方向性、是非突き詰めていって欲しい。(「瑕疵借り」 松岡圭介、講談社文庫)

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )